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デルタ関数の別定義:その2

デルタ関数が$~x=0~$でのみ0でない値を持つことが分かったので、次のように定義することも出来る。

デルタ関数とは
\begin{eqnarray}
\delta(x)=
\begin{cases}
\infty& (x=0)\\
0& (x\neq 0)
\end{cases}
\end{eqnarray}
を満たし、かつ
\begin{eqnarray}
\int_{-\infty}^\infty \delta(x)dx=1
\end{eqnarray}
を満たす関数とする。

ここで積分領域は先程と同じ理由で$~x=0~$を含んでいる様な区間であれば何でも良い(例えば$~[-\epsilon,\epsilon]~$とか)。この定義はちゃんと前述までのデルタ関数の定義と整合しており同値な定義になっている。因みに、ここでの定義を用いた場合に、
\begin{eqnarray}
\int_{-\infty}^\infty f(x)\delta(x)dx=f(0)
\end{eqnarray}
が導けるのかだけは非自明だろう。それはちゃんと確かめておこう。証明すべき事はページ上の最初の2つの定義を用いて$~「~\int _{-\infty}^\infty f(x)\delta(x)dx=f(0)~」~$を導くことである。実際にやってみよう。まずデルタ関数が$~x=0~$でしか値を持たないので、適当な$~\epsilon~$を用いて
\begin{eqnarray}
\int _{-\infty}^\infty f(x)\delta(x)dx=
\int_{-\epsilon}^\epsilon f(x)\delta(x)dx
\end{eqnarray}
と書き直すことが出来る。ここで$~\epsilon~$は任意なので、十分小さいとしよう。すると$~f(x)~$は$~x=0~$周りでテーラー展開出来るはずで
\begin{eqnarray}
f(x)=f(0)+f^{\prime}(0)x+\cdots=f(0)+(xの一次以上)
\end{eqnarray}
と展開出来る。これを上式に代入すると
\begin{eqnarray}
\int_{-\epsilon}^\epsilon f(x)\delta(x)dx
&=&
\int_{-\epsilon}^\epsilon \left[ f(0)+(xの一次以上) \right]\delta(x)dx\\
&=& \int_{-\epsilon}^\epsilon \left[
f(0)
\right]\delta(x)dx
+
\int_{-\epsilon}^\epsilon \left[ (xの一次以上) \right]\delta(x)dx \end{eqnarray}
さて第一項は$~f(0)~$が定数なので積分の外に出せて
\begin{eqnarray}
\int_{-\epsilon}^\epsilon \left[
f(0)
\right]\delta(x)dx
&=&
f(0)\int_{-\epsilon}^\epsilon \delta(x)dx\\
&=&f(0)
\end{eqnarray}
となる。一方で第二項が全て0になる事を示せれば、示したかった$~「~\int_{-\infty}^\infty f(x)\delta(x)dx=f(0)~」~$が示されたことになる。これは次の例から直感的に理解する事ができる。ここでは$~x~$の2次の項を評価してみる。
\begin{eqnarray}
\int_{-\epsilon}^\epsilon x^2\delta(x)dx
\end{eqnarray}
ここで積分の基本公式
\begin{eqnarray}
\left|\int_a^b f(x)dx\right|\leq \int_a^b |f(x)|dx\leq
(区間[a,b]上でのf(x)の最大値)\times(b-a)
\end{eqnarray}
と、区間$~[-\epsilon,\epsilon]~$で$~x^2~$の最大値が$~\epsilon^2~$である事を併用すると
\begin{eqnarray}
\left|\int_{-\epsilon}^\epsilon x^2\delta(x)dx\right|
&\leq&
\int_{-\epsilon}^\epsilon |x^2|\delta(x)dx\\
&\leq&
\epsilon^2\int_{-\epsilon}^\epsilon \delta(x)dx\\
&\leq&\epsilon^2
\end{eqnarray}
最後に$~\epsilon~$が微小であれば任意であった事を思い出そう。(もし読者が初等数学の$~\epsilon-\delta~$論法を知っていれば理解は簡単だと思うが)$~\epsilon~$は任意の微小量、つまり好きなだけ小さく出来る数なので、上記の不等式の最右辺はいくらでも0に飛ばすことが出来る。従って
\begin{eqnarray}
\left|\int _{-\epsilon}^\epsilon x^2\delta(x)dx\right|=0
\end{eqnarray}
でなくてはならないことが分かる。この例では$~x^2~$で示したが、別に$~x^n(n\geq1)~$でも同様に示せる。

デルタ関数の別定義:その1

本によってデルタ関数の定義は若干異なっている時がある。もちろん意味は同じなのだが、他の定義を知ることでデルタ関数の理解が深まるだろうから、それについて以下で見ていこう。

まず本書でのデルタ関数の定義式
\begin{equation}
\int_{-\infty}^{\infty}~f(x)\delta(x)dx=f(0)
\end{equation}
に注目しよう。任意関数$~f(x)~$に対し積分の結果として$~x=0~$しか効いてこないので、正の実数$~a~$を用いて積分範囲を
\begin{equation}
\int_{- \infty}^{-a}~f(x)\delta(x)dx
+
\int_{-a}^{a}~f(x)\delta(x)dx
+
\int_{a}^{\infty}~f(x)\delta(x)dx
=f(0)
\end{equation}
のように分離するとデルタ関数の性質から第一項、第三項は0となり、結果としてデルタ関数の定義式を
\begin{eqnarray}
\int_{-a}^{a}~f(x)\delta(x)dx
=f(0)
\end{eqnarray}
としても良いと言える。また同様に考えると、$~a<0<b~$を満たす実数$~a,b~$を用いて
\begin{eqnarray}
\int_{a}^{b}~f(x)\delta(x)dx
=f(0)
\end{eqnarray}
としても良いと分かるだろう。

デルタ関数の定義

デルタ関数の定義の仕方は幾つかあるが、ここでは次のように定義する。

デルタ関数$~\delta(x)~$とは、任意の関数$~f(x)~$に対し、
\begin{equation}
\int_{-\infty}^{\infty}~f(x)\delta(x)dx=f(0)
\end{equation}
を満たす関数として定義する。

工学系ではサンプリング関数などとも呼ばれ、定義式からも分かるように$~f(x)~$の$~x=0~$の値だけ抽出しており、まさにサンプリングと呼ぶにふさわしい作用をしている。またインパルス関数とも呼ばれ、撃力などの一瞬の間だけ働く力を記述するのに用いたりもする。

さて、話しを戻そう。まず定義式からも明らかだが$~f(x)~$の$~x=0~$の値のみが結果に関係しており、その他の$~f(x)~$の値には影響されない。積分の定義・リーマン和を思い出せば、これはデルタ関数が$~x=0~$以外の点では値を持たず$~x=0~$の点で無限大の値を持つことを意味している(もし$~x=a\neq0~$で値を持っていたら、積分値は$~f(a)~$の値にも依るはず)。また$~f(x)=1(\forall x\in\mathbb{R})~$という関数を代入してやれば$~\int_{-\infty}^{\infty}\delta(x)dx=1~$となり、積分の幾何学的な解釈に基づけばデルタ関数が作る面積は1ということになる。一つ前の考察と合わせればデルタ関数は$~x=0~$で無限大となるにも関わらずその面積は1という奇妙な性質を持っている特異な関数なのである。このδ関数は当に先程話した点電荷を表現する為に必要な関数の性質を満たしている。

素粒子標準模型:クォークセクター:クォークの世代間混合と小林・益川行列

クォークも第3世代まで含むように容易に拡張できる。その仕方はレプトンを全く同じで、添字\(~I~\)を世代を表す添字として、
\begin{eqnarray}
\mathcal{L}_{quark}
&=&
\sum_{I=1,2,3}
\left[
i\bar{Q}^F_{I_i}\bar{\sigma}^\mu (D_\mu Q_I)^F_{i}
+
i\bar{u}_{I_R}^F\sigma^\mu (D_\mu u_{I_R})^F
+
i\bar{d}_{I_R}^F\sigma^\mu (D_\mu d_{I_R})^F
\right]\nonumber\\
&&~~~~-\sum_{I,J=1,2,3}
\left(
y^u_{IJ}\bar{Q}^F_{I_i}H^c_iu^F_{J_R}
+
y^d_{IJ}\bar{Q}^F_{I_i}H_id^F_{J_R}
+h.c\right)
\end{eqnarray}
とすればいい。ここでレプトンの時のようにクォークの湯川カップリングを対角形\(~+~\)実数に持っていこう。まずユニタリ変換
\begin{eqnarray}
Q_{I_1}^F&\to&U^1_{IJ}Q^F_{J_1}\\
Q_{I_2}^F&\to&U^2_{IJ}Q^F_{J_2}\\
u_{I_R}^F&\to&V_{IJ}u_{J_R}^F\\
d_{I_R}^F&\to&W_{IJ}d_{J_R}^F
\end{eqnarray}
の下で、運動項の項は\(~W^{\pm}~\)の含まれる項を除いて不変である(\(~W^\pm~\)の後に関しては後述)。一方で質量項の方を見てみると、まずSSBの後にこの項は
\begin{eqnarray}
\left(
y^u_{IJ}\bar{Q}^F_{I_i}H^c_iu^F_{J_R}
+
y^d_{IJ}\bar{Q}^F_{I_i}H_id^F_{J_R}\right)
\xrightarrow{SSB}
\left(y^u_{IJ}\left(\frac{v+h}{\sqrt{2}}\right)\bar{u}_{I_L}^Fu^F_{J_R}
+
y^d_{IJ}\left(\frac{v+h}{\sqrt{2}}\right)\bar{d}_{I_L}^Fd^F_{J_R}\right)
\end{eqnarray}
となるので、質量に相当する係数\(~y_{IJ}~\)は上記の変換で
\begin{eqnarray}
y^u_{IJ}&\to&(U^{1\dagger} y^u V)_{IJ}\\
y^d_{IJ}&\to&(U^{2\dagger} y^d W)_{IJ}
\end{eqnarray}
のように変換される。我々は線形代数の知識から\(~U^1,U^2,V,W~\)を適当に選ぶことにより、係数を対角形かつ正の実数に持っていける。これはつまりクォーク場を質量固有状態に一致させたことを意味する。\(~U^1,U^2,V,W~\)をこのように選んだ時、先程後述すると言った\(~W^{\pm}~\)を含む項はどうなるだろうか。先程共変微分を計算した時に見たように、ユニタリ変換する前の一般的なクォーク&\(~W^\pm~\)の項は
\begin{eqnarray}
\mathcal{L}_{quark-W^\pm}&=&\sum_{I=1,2,3}\left(\frac{g_2}{\sqrt{2}}\bar{u}_{I_L}^F\bar{\sigma}^\mu d^F_{I_L}W^+_\mu
+
\frac{g_2}{\sqrt{2}}\bar{d}_{I_L}^F\bar{\sigma}^\mu u^F_{I_L}W^-_\mu\right)\nonumber\\
&=&
\sum_{I=1,2,3}\frac{g_2}{\sqrt{2}}\left(\bar{u}_{I_L}^F\bar{\sigma}^\mu d^F_{I_L}W^+_\mu
+
\bar{d}_{I_L}^F\bar{\sigma}^\mu u^F_{I_L}W^-_\mu \right)
\end{eqnarray}
となるので、先程のユニタリ変換で
\begin{eqnarray}
\mathcal{L}_{quark-W^\pm}
&=&
\sum_{I=1,2,3}\frac{g_2}{\sqrt{2}}\left(\bar{u}_{I_L}^F\bar{\sigma}^\mu d^F_{I_L}W^+_\mu
+
\bar{d}_{I_L}^F\bar{\sigma}^\mu u^F_{I_L}W^-_\mu \right)\\
&\to&
\frac{g_2}{\sqrt{2}}\left[
(U^{1\dagger}U^2)_{IJ}\bar{u}_{I_L}^F\bar{\sigma}^\mu d^F_{J_L}W^+_\mu
+
(U^{2\dagger}U^1)_{IJ}\bar{d}_{I_L}^F\bar{\sigma}^\mu u^F_{J_L}W^-_\mu \right]
\end{eqnarray}
となる。ここで\(~U\equiv U^{1\dagger}U^2~\)を定義しよう。この\(~U~\)が対角形になっていれば、質量固有状態はツリーレベルで混じらないことになる。しかしながら、一般的にはこれは対角形になりえない。それは\(~U^1,U^2~\)は\(~y^{u}_{IJ},y^{d}_{IJ}~\)を対角形にするために選ばれた行列であり、それらの積が都合よく対角形になっていることは偶然以外では起こりえない。事実、実験から\(~U~\)は対角形になっていないことが示されている。この行列\(~U~\)は実験的にも重要な量であり、CKM行列や小林・益川行列と呼ばれている。さて、行列\(~U~\)の自由度はいくらだろうか。まず注意したいのは、小林・益川行列の位相は\(~Q^F_{I_i}~\)の位相の再定義で幾つか吸収することが出来る(\(~Q^F_{IL}~\)の位相を任意に回した時、\(~W^{\pm}~\)以外の項は他のクォーク場も同時に位相変換することで打ち消すことが出来、不変になる)。つまり
\begin{eqnarray}
U_{IJ}\to e^{-i\theta^u_I}U_{IJ}e^{i\theta^d_J}~~~(I,Jに関して和は取っていない)\tag{1}
\end{eqnarray}
とするだけの自由度がある。そして小林・益川行列はユニタリ行列なので、実で数えて\(~3^2=9~\)だけの自由度が残っている。

\(~n\times n~\)行列で考えてみよう。まず\(~U^\dagger U=1~\)の対角成分は\(~\sum_{j}U^\ast_{ij}U_{ij}=1~\)という式なので、\(~n~\)本の拘束条件になっている。一方非対角成分は(\(~U^\dagger U~\)がエルミート行列なので)実で数えて\(~n^2-n~\)の自由度を持つ。これは上三角成分が\(~\frac{1}{2}(n^2-n)~\)個あり、それが複素で2成分持っているから、実で数えて\(~n^2-n~\)になる。結局\(~n+(n^2-n)~\)個の拘束条件が立つので、ユニタリ行列の自由度は\(~n^2~\)になる。

この自由度のうち、先の位相吸収により5つ除去出来るので、\(~9-5=4~\)が小林・益川行列の残った自由度になる。ここで「引く6」でない理由は単純で、先程の位相変換(1)式は行列形式で
\begin{eqnarray}
U\to
\begin{pmatrix}
e^{-i\theta^u_1}&0&\\
0&e^{-i\theta^u_2}&0\\
0&0&e^{-i\theta^u_3}
\end{pmatrix}
U
\begin{pmatrix}
e^{i\theta^d_1}&0&\\
0&e^{i\theta^d_2}&0\\
0&0&e^{i\theta^d_3}
\end{pmatrix}
\end{eqnarray}
と書けるが、\(~U~\)全体に掛かる位相は意味をなさない。すると6つあるパラメーターのうち1つをこの全体の位相でキャンセル出来るので、結局のところ使える位相吸収の自由度は5つしかないことになる。よって\(~9-5=4~\)が成り立つ。
\par 因みに実ユニタリは直交行列であり、その自由度は\(~3\times3~\)行列の時3になる。小林・益川行列は4自由度のユニタリ行列であるが、直交行列が3自由度なので、小林・益川行列の自由度のうち1つが複素位相を与えるパラメーターであり、残り3つが回転に相当するパラメーターであると考える事ができる。この考えのもとで小林・益川行列の有名なパラメーター付は幾つかバリエーションがあるが、以下の
\begin{eqnarray}
U
&=&
\begin{pmatrix}
1&0&0\\
0&\cos\theta_{23}&\sin\theta_{23}\\
0&-\sin\theta_{23}&\cos\theta_{23}
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
\cos\theta_{13}&0&\sin\theta_{13}e^{-i\delta}\\
0&1&0\\
-\sin\theta_{13}e^{i\delta}&0&\cos\theta_{13}
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
\cos\theta_{12}&\sin\theta_{12}&0\\
-\sin\theta_{12}&\cos\theta_{12}&0\\
0&0&1
\end{pmatrix}\\
&=&
\begin{pmatrix}
\cos\theta_{12}\cos\theta_{13}
&
\sin\theta_{12}\cos\theta_{13}
&
\sin\theta_{13}e^{-i\delta}\\
-\sin\theta_{12}\cos\theta_{23}
-\cos\theta_{12}\sin\theta_{23}\sin\theta_{13}e^{i\delta}
&
\cos\theta_{12}\cos\theta_{23}-\sin\theta_{12}\sin\theta_{23}\sin\theta_{13}e^{i\delta}
&
\sin\theta_{23}\cos\theta_{13}\\
\sin\theta_{12}\sin\theta_{23}
-\cos\theta_{12}\cos\theta_{23}\sin\theta_{13}e^{i\delta}
&
-\cos\theta_{12}\sin\theta_{23}-\sin\theta_{12}\cos\theta_{23}\sin\theta_{13}e^{i\delta}
&
\cos\theta_{23}\cos\theta_{13}
\end{pmatrix}\nonumber\\
\end{eqnarray}
は1つの例である。

以上の話で何が言いたかったかと言うと、結局のところクォークの場合には一般に質量固有状態とフレーバー固有状態が一致せず、世代間混合が起きることが分かった。また複素位相が小林・益川行列に含まれていたが、これは\(~CP~\)対称性の破れの存在を意味する。

\(~CP~\)対称性の破れを示すには、\(~CPT~\)対称性がローレンツ不変性から保証されているので\(~T~\)不変性の破れの存在を言えばいいが、時間反転の演算子は複素共役を伴うので、ラグランジアンの係数が実数で出来ていない限り\(T\)不変性は破れる。そして今の場合複素位相が入ってしまっているので、この\(~T~\)不変性が破れ、詰まる所\(~CP~\)対称性が破れる。

さて、質量固有状態になるようにユニタリ変換されたSSB後のクォークセクターのラグランジアンを小林・益川行列などを用いて書き直そう。
ユニタリ変換する前のラグランジアンが
\begin{eqnarray}
\mathcal{L}_{quark}
&=&
\sum_{I=1,2,3}
\left[
i\bar{Q}^F_{I_i}\bar{\sigma}^\mu (D_\mu Q_I)^F_{i}
+
i\bar{u}_{I_R}^F\sigma^\mu (D_\mu u_{I_R})^F
+
i\bar{d}_{I_R}^F\sigma^\mu (D_\mu d_{I_R})^F
\right]\nonumber\\
&&~~~~-\sum_{I,J=1,2,3}
\left(
y^u_{IJ}\bar{Q}^F_{I_i}H^c_iu^F_{J_R}
+
y^d_{IJ}\bar{Q}^F_{I_i}H_id^F_{J_R}
+h.c\right)
\end{eqnarray}
であったから、質量項が対角形になるように先のユニタリ行列を選んでやれば、まず質量項の方は
\begin{eqnarray}
&&-\sum_{I,J=1,2,3}
\left(
y^u_{IJ}\bar{Q}^F_{I_i}H^c_iu^F_{J_R}
+
y^d_{IJ}\bar{Q}^F_{I_i}H_id^F_{J_R}
+h.c\right)\\
\xrightarrow{ユニタリ変換}&=&-\sum_{I=1,2,3}
\left(
y^u_{I}\bar{Q}^F_{I_i}H^c_iu^F_{I_R}
+
y^d_{I}\bar{Q}^F_{I_i}H_id^F_{I_R}
+h.c\right)\\
&=&
-\sum_{I=1,2,3}
\left[y^u_{I}\left(
\bar{Q}^F_{I_i}H^c_iu^F_{I_R}
+h.c\right)
+
y^d_{I}\left(
\bar{Q}^F_{I_i}H_id^F_{I_R}
+h.c\right)
\right]\\
\xrightarrow{SSB}&=&
-\sum_{I=1,2,3}\left[
\frac{y^u_I}{\sqrt{2}}(v+h)(\bar{u}^F_{I_L}u^F_{I_R}+h.c)
+
\frac{y^d_I}{\sqrt{2}}(v+h)(\bar{d}^F_{I_L}d^F_{I_R}+h.c)
\right]
\\
&=&-\sum_{I=1,2,3}\left[
m_{u_I}\bar{\psi}^F_{u_I}\psi^F_{u_I}
+
\frac{m_{u_I}}{v}h\bar{\psi}^F_{u_I}\psi^F_{u_I}
+
m_{d_I}\bar{\psi}^F_{d_I}\psi^F_{d_I}
+
\frac{m_{d_I}}{v}h\bar{\psi}^F_{d_I}\psi^F_{d_I}
\right]
\end{eqnarray}
となる。ここでも再びディラックスピノル
\begin{eqnarray}
\psi^F_{u_I}\equiv\begin{pmatrix}
u^F_{I_L}\\
\\
u^F_{I_R}
\end{pmatrix}
~~~,~~~
\psi^F_{d_I}\equiv\begin{pmatrix}
d^F_{I_L}\\
\\
d^F_{I_R}
\end{pmatrix}
\end{eqnarray}
を導入し、また質量\(~m_{u_I}\equiv\frac{y^{u}_I}{\sqrt{2}}v~\)等も同様に定義した。さて運動項の方もSSBとユニタリ変換を施すと上述の計算などから次のようになる。

\(~W^{\pm}~\)を含む項だけがユニタリ変換の影響を受けたことを思い出そう。つまりそれ以外の項には以前の結果が(世代の添字を入れるだけで)そのまま使える。

\begin{eqnarray}
&&\sum_{I=1,2,3}
\left[
i\bar{Q}^F_{I_i}\bar{\sigma}^\mu (D_\mu Q_I)^F_{i}
+
i\bar{u}_{I_R}^F\sigma^\mu (D_\mu u_{I_R})^F
+
i\bar{d}_{I_R}^F\sigma^\mu (D_\mu d_{I_R})^F
\right]\\
\nonumber\\
&\Downarrow&SSB&ユニタリ変換\nonumber\\
\nonumber\\
&=&
\sum_{I=1,2,3}\left[
\frac{}{}
\bar{\psi}^F_{u_I}(i\Slash{\nabla}\psi_{u_I})^F
+
\bar{\psi}^F_{d_I}(i\Slash{\nabla}\psi_{d_I})^F\right.\nonumber\\
&&~~~~~~~~~~
+
\left(
\frac{2e}{3}\bar{\psi}^F_{u_I}\gamma^\mu\psi_{u_I}^F

\frac{e}{3}\bar{\psi}^F_{d_I}\gamma^\mu\psi_{d_I}^F
\right)A_\mu
+\frac{e}{\sqrt{2}\sin\theta_w}\left[
(U)_{IJ}\bar{u}_{I L}^F\bar{\sigma}^\mu d^F_{JL}W^+_\mu
+
(U^\dagger)_{IJ}\bar{d}_{IL}^F\bar{\sigma}^\mu u^F_{JL}W^-_\mu \right]
\nonumber\\
&&~~~~~~~~~~
+\left\{
\frac{e}{2\sin\theta_w\cos\theta_w}\left(
\bar{\psi}^F_{u_I}\gamma^\mu P_L\psi^F_{u_I}

\bar{\psi}^F_{d_I}\gamma^\mu P_L\psi^F_{d_I}
\right)
-\frac{2e\tan\theta_w}{3}
\bar{\psi}^F_{u_I}\gamma^\mu{\psi}^F_{u_I}
+\frac{e\tan\theta_w}{3}
\bar{\psi}^F_{d_I}\gamma^\mu{\psi}^F_{d_I}
\right\}Z_\mu\nonumber\\
\\
&=&
\sum_{I=1,2,3}\left[
\frac{}{}
\bar{\psi}^F_{u_I}(i\Slash{\nabla}\psi_{u_I})^F
+
\bar{\psi}^F_{d_I}(i\Slash{\nabla}\psi_{d_I})^F\right.\nonumber\\
&&~~~~~~~~~~
+
\left(
\frac{2e}{3}\bar{\psi}^F_{u_I}\gamma^\mu\psi_{u_I}^F

\frac{e}{3}\bar{\psi}^F_{d_I}\gamma^\mu\psi_{d_I}^F
\right)A_\mu
+\frac{e}{\sqrt{2}\sin\theta_w}\left[
U_{IJ}\bar{\psi}_{u_I}^F\gamma^\mu P_L\psi^F_{d_J}W^+_\mu
+
U^\dagger_{IJ}\bar{\psi}_{d_I}^F\gamma^\mu P_L\psi^F_{u_J}W^-_\mu \right]
\nonumber\\
&&~~~~~~~~~~
+\left\{
\frac{e}{2\sin\theta_w\cos\theta_w}\left(
\bar{\psi}^F_{u_I}\gamma^\mu P_L\psi^F_{u_I}

\bar{\psi}^F_{d_I}\gamma^\mu P_L\psi^F_{d_I}
\right)
-\frac{2e\tan\theta_w}{3}
\bar{\psi}^F_{u_I}\gamma^\mu{\psi}^F_{u_I}
+\frac{e\tan\theta_w}{3}
\bar{\psi}^F_{d_I}\gamma^\mu{\psi}^F_{d_I}
\right\}Z_\mu\nonumber\\
\end{eqnarray}
小林・益川理論の説明で話が大分逸れたが、ユニタリ変換を適当に施すことで、SSB後のクォークのラグランジアンは以下の形に取ることが出来る。
\begin{eqnarray}
\mathcal{L}_{quark}
&=&
\sum_{I,J=1,2,3}\left[
\frac{}{}
\bar{\psi}^F_{u_I}((i\Slash{\nabla}-m_{u_I})\psi_{u_I})^F
+
\bar{\psi}^F_{d_I}((i\Slash{\nabla}-m_{d_I})\psi_{d_I})^F

\frac{m_{u_I}}{v}h\bar{\psi}^F_{u_I}\psi^F_{u_I}

\frac{m_{d_I}}{v}h\bar{\psi}^F_{d_I}\psi^F_{d_I}
\right.\nonumber\\
&&~~~~~~~~~~~
+
\left(
\frac{2e}{3}\bar{\psi}^F_{u_I}\gamma^\mu\psi_{u_I}^F

\frac{e}{3}\bar{\psi}^F_{d_I}\gamma^\mu\psi_{d_I}^F
\right)A_\mu
+\frac{e}{\sqrt{2}\sin\theta_w}\left[
U_{IJ}\bar{\psi}_{u_I}^F\gamma^\mu P_L\psi^F_{d_J}W^+_\mu
+
U^\dagger_{IJ}\bar{\psi}_{d_I}^F\gamma^\mu P_L\psi^F_{u_J}W^-_\mu \right]
\nonumber\\
&&~~~~~~~~~~~
+\left\{
\frac{e}{2\sin\theta_w\cos\theta_w}\left(
\bar{\psi}^F_{u_I}\gamma^\mu P_L\psi^F_{u_I}

\bar{\psi}^F_{d_I}\gamma^\mu P_L\psi^F_{d_I}
\right)
-\tan\theta_w\left(\frac{2e}{3}\bar{\psi}^F_{u_I}\gamma^\mu\psi_{u_I}^F-
\frac{e}{3}\bar{\psi}^F_{d_I}\gamma^\mu\psi_{d_I}^F\right)
\right\}Z_\mu\nonumber\\
\end{eqnarray}
ここで再びカレント
\begin{eqnarray}
J^{\mu}_{q,+}&\equiv&\sum_{I,J=1,2,3}\frac{e}{\sqrt{2}\sin\theta_w}
U_{IJ}\bar{\psi}_{d_I}^F\gamma^\mu P_L\psi_{u_J}^F\\
J^{\mu}_{q,-}&\equiv&\sum_{I,J=1,2,3}\frac{e}{\sqrt{2}\sin\theta_w}U^\dagger_{IJ}
\bar{\psi}_{u_I}^F\gamma^\mu P_L\psi_{d_J}^F\\
J_{q,em}^\mu&\equiv&
\sum_{I=1,2,3}\left(\frac{2e}{3}\bar{\psi}^F_{u_I}\gamma^\mu\psi_{u_I}^F-
\frac{e}{3}\bar{\psi}^F_{d_I}\gamma^\mu\psi_{d_I}^F\right)\\
J_{q,Z}^\mu&\equiv&
\sum_{I=1,2,3}\left[\frac{e}{2\sin\theta_w\cos\theta_w}\left(
\bar{\psi}^F_{u_I}\gamma^\mu P_L\psi^F_{u_I}

\bar{\psi}^F_{d_I}\gamma^\mu P_L\psi^F_{d_I}
\right)-\tan\theta_w\left(\frac{2e}{3}\bar{\psi}^F_{u_I}\gamma^\mu\psi_{u_I}^F-
\frac{e}{3}\bar{\psi}^F_{d_I}\gamma^\mu\psi_{d_I}^F\right)\right]\nonumber\\
&=&
\sum_{I=1,2,3}\left[\frac{e}{2\sin\theta_w\cos\theta_w}\left(
\bar{\psi}^F_{u_I}\gamma^\mu P_L\psi^F_{u_I}

\bar{\psi}^F_{d_I}\gamma^\mu P_L\psi^F_{d_I}
\right)-\tan\theta_w J^\mu_{em}\right]
\end{eqnarray}
を導入することで
\begin{eqnarray}
\mathcal{L}_{quark}
&=&
\sum_{I,J=1,2,3}\left[
\frac{}{}
\bar{\psi}^F_{u_I}((i\Slash{\nabla}-m_{u_I})\psi_{u_I})^F
+
\bar{\psi}^F_{d_I}((i\Slash{\nabla}-m_{d_I})\psi_{d_I})^F

\frac{m_{u_I}}{v}h\bar{\psi}^F_{u_I}\psi^F_{u_I}

\frac{m_{d_I}}{v}h\bar{\psi}^F_{d_I}\psi^F_{d_I}
\right.\nonumber\\
&&\left.~~~~~~~~~~~
+J^\mu_{q,em}A_\mu+J^\mu_{q,Z}Z_\mu
+J^{\mu}_{q,+}W^-_\mu+J^{\mu}_{q,-}W^+_\mu
\right]
\end{eqnarray}
と纏めることが出来る。

デルタ関数の心

まだデルタ関数の定義を書いてないが、まず何故デルタ関数というものが必要なのかを説明する。(特に読まなくてもよい。)

電磁気学や力学で点電荷、点粒子を考えていたと思う。これを数式で表そうと思った時、疑問が発生する。点電荷は電荷を持っているにも関わらず点として扱っているということは電荷密度が一点で無限大ということを意味している。果たして数式でこのような状況を表現することは可能なのであろうか。

これをもう少し正確に述べよう。今は座標原点に電荷Qを持つ点電荷がありそれが箱に入っていて、あなたはその箱を外から見ているとする。するとこの箱は中に電荷Qがあるので、箱の総電荷は当然Qになる。ではこの箱の中身の電荷密度(電荷分布)はどうなっているだろうか。箱の中の電荷密度を$\rho(\textbf{x})$で表そう。すると箱の総電荷がQなので
\begin{eqnarray}
\int_{箱}\rho(\textbf{x})dV=Q
\end{eqnarray}
(積分範囲は箱の中全体とし、$dV$は微小体積とした)が成り立つ。しかし電荷密度単品に注目すると、原点に点電荷があるだけでその他の点には電荷は存在していないことになる。従って
\begin{eqnarray}
\rho(\textbf{x})=
\begin{cases}
ある値& (\textbf{x}=0) \\
0& (原点を除いた箱の中)
\end{cases}
\end{eqnarray}
のような電荷分布になっている。問題はこの「ある値」と書いた値の大きさであるが、$\int_{箱}\rho(\textbf{x})dV=Q$(=有限値)という揺るがない事実があるので、積分の考えに基づくと一点だけで値を持つ関数を積分して有限な積分値Qを持たせるためには$\rho$はその一点で無限大の値を持ってないと不可能である。つまり点電荷を扱うならば、
\begin{eqnarray}
\rho(\textbf{x})=
\begin{cases}
\infty& (\textbf{x}=0)\\
0& (原点を除いた箱の中)
\end{cases}
\end{eqnarray}
でないとマズイということが分かった。

この関数が奇妙な関数だと感じられただろうか。一点で無限大の値を持ち、その他の点では0な関数。なのに積分するとある有限な値を返す不思議な関数なのだ。逆に言えば点電荷を表現するにはこのような関数が自然と必要なのである。

繰り込みの考え方とRunning-coupling

ラグランジアンというものはどのエネルギースケールで定義されたラグランジアンかを明記する必要がある。例えばQEDのラグランジアンといった場合、よく見かけるラグランジアンは
\begin{eqnarray}
\mathcal{L}_{QED}=
\bar{\psi_0}(i\gamma^\mu{\partial_\mu})\psi_0-\frac{1}{4}F_0^{\mu\nu}F_{0\mu\nu}+e_0\bar{\psi_0}\gamma^\mu\psi_0 A_{0\mu}
\end{eqnarray}
や、それを繰り込んだ
\begin{eqnarray}
\mathcal{L}_{QED}=
\bar{\psi}(i\gamma^\mu{\partial_\mu})\psi-\frac{1}{4}F^{\mu\nu}F_{\mu\nu}+e\bar{\psi}\gamma^\mu\psi A_\mu+(counter-term)
\end{eqnarray}
と書かれたものが用いられる。ここに現れるゲージ結合定数\(~e~\)はどのエネルギースケールの結合定数だろうか。我々がよく知る電荷は$~e=1.6\times10^{-19}~$であるが、それは古典電磁気学の結合定数であり、QEDやQFTで見ているようなエネルギースケールではミクロな構造が見えているので、$~e~$は変動してもおかしくはない。もちろん上記のラグランジアンで$~e~$として$~e=1.6\times10^{-19}~$を採用しても理論的には問題ないが計算が大変になる(何故大変になるかは以下の議論を読めば明らかになってくるが、摂動論ではくりこみ点$~\mu~$から離れたエネルギースケールを計算した場合に$~\log(p^2/\mu^2)~$を足し上げる必要が出てくる。$~p^2~$が$~\mu^2~$からズレるに連れ、$~\log(p^2/\mu^2)~$は0からズレてきて収束性が悪くなり摂動論が使えなくなってしまうからだ)。
この考えを念頭に置くと、ラグランジアンは正確にはエネルギースケール$\mu$を明確にして
\begin{eqnarray}
\mathcal{L}=\bar{\psi}(i\gamma^\mu{\partial_\mu})\psi-\frac{1}{4}F^{\mu\nu}F_{\mu\nu}+e_{(\mu)}\bar{\psi}\gamma^\mu\psi A_\mu+(counter-term)
\end{eqnarray}
と書くべきなのである。
この時、くりこみ条件をどう置くのが賢いだろうか?ここで有効作用を思い出すと、一般に
\begin{eqnarray}
\Gamma[\phi]=\int d^4x~\mathcal{L}_{tree}+\verb|(loopからの寄与) |
\end{eqnarray}
という様に書けていた。ここで有効作用が分かれば物理量はすべて計算出来ることに注意しよう。一般にループの寄与があるから、厳密に有効作用を求めることは不可能である。しかしそこで発想を変え、エネルギースケールが$~\mu~$の時に限り、ループからの寄与は必要ないようにしてしまおう。つまりエネルギースケール$~\mu~$でのラグランジアンと言った場合、ラグランジアンに現れるパラメータは全てエネルギースケール$~\mu~$で測定される値に一致させてしまおう。言い方を変えれば、エネルギースケール$~\mu~$のラグランジアンを用いてエネルギースケール$~\mu~$の物理量を計算した場合、その物理量に纏わるループ寄与が0になるようなラグランジアンとして定義する。具体例を出すとイメージが付くと思うので、まず6次元中の$\phi^3~$理論で説明し、後でQEDの場合を説明する。何故$~\phi^3~$理論かといえば1-loopの計算が簡単だからである。また6次元である理由は、$~\phi^3$の結合定数を無次元にしたいからである(無次元の方が計算が簡単なのでそうした)。まず$~\phi^3~$理論のラグランジアンと言ったら(大抵の参考書の場合) \begin{eqnarray}
\mathcal{L}=\frac{1}{2}(\partial\phi)^2-\frac{1}{2}m^2\phi^2-\frac{g}{3!}\phi^3+(counter-term)
\end{eqnarray}
と書かれているが、これもエネルギースケールを明記されていないので不完全なラグランジアンと言える。そこでエネルギースケール$~\mu~$のラグランジアンであることを強調し \begin{eqnarray} \mathcal{L}
=\frac{1}{2}(\partial\phi)^2-\frac{1}{2}m^2(\mu)\phi^2-\frac{g(\mu)}{3!}\phi^3+(counter-term)
\end{eqnarray}
と書くことにしよう。今ここに現れたパラメータ$~g(\mu)~$はエネルギースケール$~\mu~$での観測値に一致させているので、これと整合するように繰り込み条件を置く必要がある。その条件とは以下が妥当であろう。
\begin{eqnarray}
\Gamma^{(2)}[p^2,g(\mu)]&=&p^2-m^2(\mu)~~~~~~~~at~~p^2=-\mu^2\\
\frac{d}{dp^2}\Gamma^{(2)}[p^2,g(\mu)]&=&1~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~at~~p^2=-\mu^2\\
\Gamma^{(3)}[p_1,p_2,p_3,g(\mu)]&=&-g(\mu)~~~~~~~~~~~~~~~at~~p_i\cdot p_j=\mu^2\delta_{ij}-\frac{\mu^2}{2}(1-\delta_{ij})
\end{eqnarray}
ここで(1)何故くりこみ条件の後者の運動量を上記のように取ったか、(2)何故$~p^2=\mu^2~$ではなく$~p^2=-\mu^2~$なのか、(3)上記のくりこみ条件は上述の話をどう反映しているかを説明させてほしい。
(1)まず前者は2点関数で運動量は一つしかないので、その2乗を$-\mu^2$と置くのは自然と言える。一方で後者は3点関数へのくりこみ条件式だが、3点関数の場合は運動量が$p_1,p_2,p_3$の3つ(運動量保存より独立なのは2つ)あるので、$p^2_1~,~p^2_2~,~p^2_3~,~p_1\cdot p_2~,~p_2\cdot p_3~,~p_3\cdot p_1$の6つの値を指定する必要がある(もちろん運動量保存より独立な数は6つ未満だが)。この場合、自然な指定は$p_1,p_2,p_3$に関して対称に条件を置くことだろう。つまり適当な係数$A,B$を用いて
\begin{eqnarray}
p_i^2=\frac{\mu^2}{A}~~~,~~~p_i\cdot p_j=\frac{\mu^2}{B}~(i\neq j) \end{eqnarray} と置くのが自然だろう。これと運動量保存則$\sum_{i=1,2,3}p_i=0$を使うと、上述のような$\mu^2\delta_{ij}-\frac{\mu^2}{2}(1-\delta_{ij})$が得られる。

(2)2点関数を考えると分かりやすいが、$~p^2~$がtime-likeな場合、ある値を超えると粒子の対生成が可能になり、遷移振幅にブランチカットが発生する。そのような複雑さを避けるためにspace-likeに取るのがよいのだ。

(3)3つ目の条件から説明しよう。我々の先の議論によれば、ラグランジアンに書かれたパラメーター$~g(\mu)~$はエネルギースケール$~\mu~$での三点関数の観測値に一致させている。するとエネルギースケールが$~\mu~$の時の三点関数の値は当然$~g(\mu)~$になるはずなので、3つ目のような条件が課される($i$倍はファインマンルールに付随するものなので気にしなくて良い)。次に1,2番目の条件の説明も必要だろう。我々のラグランジアンはエネルギースケール$~\mu~$に限り、ツリーレベルの計算が厳密に成り立っているものと定義している。つまり、2点関数はエネルギースケール$~\mu~$の時に限り、ツリーレベルの結果$~\frac{1}{p^2-m^2(\mu)}~$に一致させなければならないので、このような条件が採用された。

以下では繰り込み条件から結合定数の微分方程式を導出し、エネルギースケールを変えた際の振る舞いを見ていく。具体的にカウンタータームを書き、上述のくりこみ条件に基づきくりこみを行おう。中途半端にやると混乱が生じうるので、初めから丁寧に行う。$~\phi^3~$理論に関して、まず裸のラグランジアンが
\begin{eqnarray}
\mathcal{L}_{bare}= \frac{1}{2}(\partial\phi_0)^2 -\frac{1}{2}m^2_0\phi^2_0 -\frac{g_0}{3!}\phi^3_0
\end{eqnarray}
であるとしたら、場の規格化$~\phi_0=\sqrt{Z}\phi~$を行ったラグランジアンは取り敢えず \begin{eqnarray}
\mathcal{L}{(\mu)} &=& \frac{1}{2}Z(\partial\phi)^2 -\frac{1}{2}Zm^2_0\phi^2 -\frac{g_0Z^{3/2}}{3!}\phi^3 \end{eqnarray} と書けるから、
\begin{eqnarray}
g_0&=&Z_gZ^{-\frac{3}{2}}g(\mu)\\
\delta Z&=&Z-1\\
\delta Z_g&=&Z_g-1\\
Zm^2_0&=&Z_mm^2(\mu)\\
\delta Z_m&=&Z_m-1
\end{eqnarray}
を導入して、
\begin{eqnarray}
\mathcal{L}{(\mu)} &=&\frac{1}{2}(\partial\phi)^2-\frac{1}{2}m^2(\mu)\phi^2-\frac{g(\mu)}{3!}\phi^3+ \frac{1}{2}\delta Z(\partial\phi)^2-\frac{1}{2}\delta Z_mm^2(\mu)\phi^2 -\frac{g(\mu)}{3!}\delta Z_g\phi^3
\end{eqnarray}
というラグランジアンが得られる。この場合、
\begin{eqnarray}
\mathcal{L}_{free}&=&\frac{1}{2}(\partial\phi)^2
-\frac{1}{2}m^2(\mu)\phi^2 -\frac{g(\mu)}{3!}\phi^3\\
\mathcal{L}_{counter}&=&\frac{1}{2}\delta Z(\partial\phi)^2-\frac{1}{2}\delta Z_mm^2(\mu)\phi^2-\frac{g(\mu)}{3!}\delta Z_g\phi^3
\end{eqnarray}
という感じになっている。先ほど述べた様に、ここからの目的は$~g(\mu)~$がエネルギースケールと共にどのように変化するかを見る事なので、そのために$~\delta Z_g~,~\delta Z~$を求めておく(その理由は後に明らかになるが、$~g(\mu)~$の変化を知るにはこの2つを知れば十分であるからだ)。まず1-loopまでで$~\delta Z~$を求めよう。1-loopまでのプロパゲータの量子補正を計算すると、ファインマンダイアグラムより
\begin{eqnarray}
-i\Pi(p^2)&=&i(\delta Zp^2-\delta Z_mm^2(\mu))+\frac{(-ig(\mu))^2}{2}\int\frac{d^6k}{(2\pi)^6}
\frac{i}{k^2-m^2(\mu)+i\epsilon}
\frac{i}{(p+k)^2-m^2(\mu)+i\epsilon}\\
&=&
i(\delta Zp^2-\delta Z_mm^2(\mu))
+
\frac{g^2(\mu)}{2}\int
\frac{d^6k}{(2\pi)^6}dx
\frac{1}{\left[k^2-m^2(\mu)-(x^2-x)p^2+i\epsilon\right]^2}\\
&=&i(\delta Zp^2-\delta Z_mm^2(\mu))
+
\frac{ig^2(\mu)}{2}\int
\frac{d^6k_E}{(2\pi)^6}dx
\frac{1}{\left[k_E^2+m^2(\mu)+(x^2-x)p^2\right]^2}\\
\end{eqnarray}
ここで繰り込み条件よりエネルギースケール$~\mu~$では量子補正$~\Pi~$の微分は0にならなければならないので、上式を微分して$~p^2=-\mu^2~$を代入し、左辺0とすることで以下を得る(以下の式変形において矢印で継ないでいるところは、$~\Lambda\to\infty~$で生き残る項だけ残す意味である)
\begin{eqnarray}
\delta Z&=&-g^2(\mu)
\int
\frac{d^6k_E}{(2\pi)^6}dx
\frac{(x-x^2)}{\left[k_E^2+m^2(\mu)+(x-x^2)\mu^2\right]^3}\\
&=&
-g^2(\mu)\frac{\pi^3}{(2\pi)^6}
\int_0^1dx~(x-x^2)
\int_0^{\Lambda/\mu}\frac{t^5}{\left(t^2+\frac{m^2(\mu)}{\mu^2}+(x-x^2)\right)^3}dtdx\\
&=&
-g^2(\mu)\frac{\pi^3}{(2\pi)^6}
\int_0^1dx~(x-x^2)
\times\frac{1}{4}\left[
\frac{3\left(x-x^2+\frac{m^2(\mu)}{\mu^2}\right)^2+4\left(x-x^2+\frac{m^2(\mu)}{\mu^2}\right)t^2}{\left(x-x^2+\frac{m^2(\mu)}{\mu^2}+t^2\right)^2}\right.\nonumber\\
&&\left.~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~+2\log\left(x-x^2+\frac{m^2(\mu)}{\mu^2}+t^2\right)
\right]_0^{\Lambda/\mu}\nonumber\\
&\to&
-g^2(\mu)\frac{\pi^3}{(2\pi)^6}\frac{1}{6}\log\left(\frac{\Lambda}{\mu}\right)\\
&=&
-\frac{g^2(\mu)}{2^6\times6\times\pi^3}\log\left(\frac{\Lambda}{\mu}\right)
\end{eqnarray}
次に3点関数を考えよう。同様の計算により
\begin{eqnarray}
\delta Z_g
&=&
-g^2(\mu)
\int\frac{dk^6_E}{(2\pi)^6}dxdy
\frac{1}{\left(
k^2_E+m^2(\mu)+(x-x^2+y-y^2+xy)\mu^2
\right)^3}\\
&=&
-g^2(\mu)
\frac{\pi^3}{(2\pi)^6}
\int dxdy
\int_0^\frac{\Lambda}{\mu}
\frac{t^5}{\left(
t^2+\frac{m^2(\mu)}{\mu^2}+(x-x^2+y-y^2+xy)
\right)^3}dt\\
&=&
-g^2(\mu)
\frac{\pi^3}{(2\pi)^6}
\int dxdy\times
\frac{1}{4}\left[
\frac{3\left(x-x^2+y-y^2+xy+\frac{m^2(\mu)}{\mu^2}\right)^2+4\left(x-x^2+y-y^2+xy+\frac{m^2(\mu)}{\mu^2}\right)t^2}{\left(x-x^2+y-y^2+xy+\frac{m^2(\mu)}{\mu^2}+t^2\right)^2}\right.\nonumber\\
&&\left.~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~+2\log\left(x-x^2+y-y^2+xy+\frac{m^2(\mu)}{\mu^2}+t^2\right)
\right]_0^{\Lambda/\mu}\nonumber\\
\\
&\to&-g^2(\mu)
\frac{\pi^3}{(2\pi)^6}
\log\left(\frac{\Lambda}{\mu}\right)\\
&=&
\frac{g^2(\mu)}{2^6\pi^3}
\log\left(\frac{\Lambda}{\mu}\right)
\end{eqnarray}
ここで$g_0=Z_gZ^{-3/2}g(\mu)$の両辺の$\log$を取り、微分を取ることで$\frac{d}{d\mu}g(\mu)=-g\frac{d}{d\mu}\log(f(\mu,g(\mu)))~~$($f$は適当な関数)の形の式を得ることができる。この時、右辺の全微分を分解することで
\begin{eqnarray}
\frac{d}{d\mu}g(\mu)
&=&
-g\left[
\frac{dg(\mu)}{d\mu}\frac{\partial\log f}{\partial g}+\frac{\partial\log f}{\partial\mu}
\right]
\end{eqnarray}
となるので、$\frac{dg}{d\mu}$で纏めると結果的に
\begin{eqnarray}
\frac{dg(\mu)}{d\mu}
&=&
-g(\mu)\frac{\partial\log f}{\partial\mu}\left[
1+g(\mu)\frac{\partial\log f}{\partial g}
\right]^{-1}
\end{eqnarray}
を得る。更に議論を進めることができる。まず今扱っている$f$というのは今考えている模型では
\begin{eqnarray}
f=Z_gZ^{-\frac{3}{2}}&=&\frac{(1+\delta Z_g)}{(1+\delta Z)^{\frac{3}{2}}}
\end{eqnarray}
である。特に$\delta Z,\delta Z_g$は共に$g^2$のオーダーから値を持つ。従って、
\begin{eqnarray}
f=\frac{(1+O(g^2))}{(1+O(g^2))^{\frac{3}{2}}}
=1+O(g^2)
\end{eqnarray}
が言える。するとLeading-orderにおいて
\begin{eqnarray}
\left[
1+g(\mu)\frac{\partial\log f}{\partial g}
\right]^{-1}
&=&
\left[
1+g(\mu)\frac{\partial}{\partial g}\log(1+O(g^2))
\right]^{-1}=
\left[
1+O(g^2)
\right]^{-1}\approx 1
\end{eqnarray}
が言える。よって再びLeading-orderでは
\begin{eqnarray}
\frac{dg(\mu)}{d\mu}
&=&
-g(\mu)\frac{\partial\log f}{\partial\mu}+(higher~order)
\end{eqnarray}
が言えるのだ。更にLeading orderの範囲では
\begin{eqnarray}
&&\log(Z_gZ^{-\frac{3}{2}})\\
&=&
\frac{\partial}{\partial\mu}\log((1+\delta Z_g)(1+\delta Z)^{-\frac{3}{2}})\\
&\approx&
\frac{\partial}{\partial\mu}\log\left[1+\delta Z_g-\frac{3}{2}\delta Z\right]\\
&\approx&
\frac{\partial}{\partial\mu}\left[
\delta Z_g-\frac{3}{2}\delta Z
\right]
\end{eqnarray}
という形まで簡略化できる。なお上記の式変形でも$\delta Z$達は$O(g^2)$だと思って計算している。
さて既に$\delta Z$等は計算しているので代入してみよう。
\begin{eqnarray}
\delta Z_g-\frac{3}{2}\delta Z
&=&
\left[-
\frac{g^2(\mu)}{2^6\pi^3}
\log\left(\frac{\Lambda}{\mu}\right)\right]
-\frac{3}{2}\left[
-\frac{g^2(\mu)}{2^6\times6\times\pi^3}\log\left(\frac{\Lambda}{\mu}\right)
\right]\\
&=&
-\frac{g^2(\mu)}{2^6\pi^3}\frac{3}{4}\log\left(\frac{\Lambda}{\mu}\right)
\end{eqnarray}
ここで
\begin{eqnarray}
\alpha(\mu)\equiv\frac{g^2(\mu)}{(4\pi)^3}
\end{eqnarray}
を導入すると
\begin{eqnarray}
\delta Z_g-\frac{3}{2}\delta Z
&=&
-\frac{3}{4}\alpha(\mu)\log\left(\frac{\Lambda}{\mu}\right)
\end{eqnarray}
を得る。これより、
\begin{eqnarray}
\frac{d\alpha(\mu)}{d\mu}
&=&
\frac{2g(\mu)}{(4\pi)^3}\frac{dg(\mu)}{d\mu}\\
&=&
-\frac{2g^2(\mu)}{(4\pi)^3}\frac{\partial\log(Z_gZ^{-\frac{3}{2}})}{\partial\mu}\\
&=&
-2\alpha(\mu)\times\frac{\partial}{\partial\mu}\left(
-\frac{3}{4}\alpha(\mu)\log\left(\frac{\Lambda}{\mu}\right)
\right)\\
&=&
-\frac{3}{2\mu}\alpha^2(\mu)
\end{eqnarray}
を得るが、最後にこれを整理して
\begin{eqnarray}
\frac{d\alpha(\mu)}{d\log\mu}=-\frac{3}{2}\alpha^2(\mu)
\end{eqnarray}
が得られる。もちろんこれがゴールなのだが、$\log$の中に次元を持った量が入っているのは気持ちが悪いので、繰り込み点を新たに$\mu_0$と書くことにすれば、上式は以下の式に直すことができる。
\begin{eqnarray}
\frac{d\alpha(\mu)}{d\log(\mu/\mu_0)}=-\frac{3}{2}\alpha^2(\mu)
\end{eqnarray}
ちなみにこれはSrednickiの計算と一致しているので確認してみると良い。

素粒子標準模型:クォークセクター:クォークの質量項

ダウンクォークの質量項を導入する為に、まずゲージ量子数を見直す。ダウンクォークの量子数は
\begin{eqnarray}
H&=&\left(1,2,\frac{1}{2}\right)\\
Q^F_L&=&\left(3,2,\frac{1}{6}\right)\\
d_R&=&\left(3,1,-\frac{1}{3}\right)
\end{eqnarray}
なので、ここから作れるゲージ不変な項は、レプトンの時と同様に考えて
\begin{eqnarray}
\epsilon^{ij}Q^{Fc}_iH_jd^F_R={Q}_i^{F\dagger} H_id^F_R=\bar{Q}^F_iH_id^F_R
\end{eqnarray}
であればよい。ハイパーチャージも\(Q\)のエルミート共役が取られているので裏返って、\(\frac{1}{2}-\frac{1}{6}-\frac{1}{3}=0\)になっているし、\(Q^\dagger u_R\)の組み合わせて\(SU(3)\)不変になっているし、\(SU(2)\)に関してもレプトンの時に説明した理由で不変になっている。アップクォークの方はすこし工夫がいる。まずアップクォークのゲージ量子数を見直す。アップクォークの量子数は
\begin{eqnarray}
H&=&\left(1,2,\frac{1}{2}\right)\\
Q^F_L&=&\left(3,2,\frac{1}{6}\right)\\
u_R^F&=&\left(3,1,\frac{2}{3}\right)
\end{eqnarray}
であるが、まず\(SU(3)\)に関してゲージ不変な項を作るためは\(Q^\dagger u_R\)の組み合わせが必要である。この時、\(Q\)のエルミート共役を取っていることにより\(Q^\dagger u_R\)のハイパーチャージは\(-\frac{1}{6}+\frac{2}{3}=\frac{1}{2}\)になっており、ヒッグスの荷電共役\(H^c=i\sigma^2 H\)のハイパーチャージ\(-\frac{1}{2}\)とちょうど打ち消せる形になっている。再びレプトンを参考にして
\begin{eqnarray}
\epsilon^{ij}Q^{Fc}_iH^c_ju_R^F=
Q^{F\dagger}_iH^c_iu^F_R=
\bar{Q}_i^FH^c_iu^F_R
\end{eqnarray}
とすればいいと分かる。以上を纏めると、クォークの質量項は第一世代に限ると
\begin{eqnarray}
\mathcal{L}_{quark-mass}=
-\left(y^u\bar{Q}^F_iH^c_iu^F_R+h.c\right)
-\left(y^d\bar{Q}^F_iH_id^F_R+h.c\right)
-\left(y^u\bar{Q}^F_iH^c_iu^F_R
+y^d\bar{Q}^F_iH_id_R^F+h.c\right)\nonumber\\
\end{eqnarray}
になる。

現象論:自然単位系とSI単位系

SI単位系と自然単位系の変換を調べてみよう。まず光速\(~c~\)、ディラック定数\(~\hbar~\)を1にしてみる。それにより
\begin{eqnarray}
c\left[m/s\right]&=&1\\
\hbar\left[kg\cdot m^2/s\right]&=&1
\end{eqnarray}
という関係式が得られる。\([kg]~,~[m]~,~[s]\)という3つの次元の間に2つの関係式が出来たので、これにより独立な次元は1つになる。ちなみに筆者含めた現象論屋さんは独立な単位に\(~[eV]~\)を選ぶ。そこで今から\([kg]~,~[m]~,~[s]\)を\(~[eV]~\)で表現しようと思う。まずMKS単位系で\(~[eV]~\)が\(~[kg\cdot m^2/s^2]~\)であったことを思い出すと\(~\hbar\times c~\)はちょうど\(~[m\cdot eV]~\)の単位になる。ちゃんと計算してみよう(以下で1[eV]=\(1.6\times10^{-19}[kg\cdot m^2/s^2]\)を用いる)。
\begin{eqnarray}
1&=&\hbar\left[kg\cdot m^2/s\right]\times c\left[m/s\right]\\
&=&
\left(1.05\times10^{-34}\left[kg\cdot m^2/s\right]\right)\times\left(2.99\times10^8\left[m/s\right]\right)\\
&=&
3.14\times10^{-26}\left[kg\cdot m^3/s^2\right]\\
&=&
1.96\times10^{-7}\left[eV\cdot m\right]\\
&\approx&
200\left[
MeV\cdot fm
\right]
\end{eqnarray}
を得る。厳密には200ではないが、単位の関係を見積もるには問題ない近似である。これは有名な関係式で、これさえ暗記しておけばSI単位系と自然単位系を簡単に行き来出来るようになる。結果をまとめると
\begin{eqnarray}
1[m]\approx\frac{1}{2\times10^{-7}[eV]}=5\times10^6 [eV^{-1}]
\end{eqnarray}
と言えた。\(~[s]~\)と\(~[eV]~\)の関係を出すのは簡単で、\(c=1\)を使えばいい。
\begin{eqnarray}
1[s]=3\times10^8[m]
\approx1.5\times10^{15}[eV^{-1}]
\end{eqnarray}
最後に\(~[kg]~\)と\(~[eV]~\)の関係を出す。\(E=mc^2\)より
\begin{eqnarray}
1[kg]=1[kg]\times c^2[m^2/s^2]=c^2[J]=\frac{c^2}{e}[eV]
&\approx&5.7\times10^{35}[eV]
\end{eqnarray}
従って
\begin{eqnarray}
1[kg]
&\approx&5.7\times10^{35}[eV]
\end{eqnarray}
を得る。この結果を用いると、例えば電子の質量は\(m_e=9.1\times10^{-31}[kg]\)なので
\begin{eqnarray}
m_e=9.1\times10^{-31}[kg]
\approx
510[keV]
\end{eqnarray}
という有名な対応式を得る。

ちなみに以上の結果をラザフォードの実験に適用すると面白い。ラザフォードは原子核の存在を実験的に確かめたわけだが、どの程度のエネルギーを持った粒子を原子核に打ち込んだら調べられるのだろうか。それを今から見積もる。今調べたい対象である原子核のサイズは(勿論ラザフォードが実験した時には知られていなかったが)、\(1[fm]\)のオーダーである。\(1[fm]\)という長さは、先ほどの\(200\left[
MeV\cdot fm\right]=1\)の結果使うと約\(200[MeV]\)が対応することになる。つまり\(1[fm]\)の世界を見るにはだいたい\(200[MeV]\)程度のエネルギーが必要になることを意味している。ウィキペディアによれば実際のラザフォードの実験では質量\(m\approx4\times10^9[eV]\)~,~速度\(v\approx2\times10^7[m/s]\)の粒子をぶつけたわけだが、この粒子のエネルギーは
\begin{eqnarray}
T=\frac{1}{2}mv^2\approx10[MeV]
\end{eqnarray}
に対応する。一桁ほどズレているものの、原子核を調べるという目的に焦点を置けば、ラザフォードは原子核探査を行うに(そこそこ)十分なアルファ線を準備できていたと言える。

次に自然単位系で\(1[eV]\)が何℃に対応するか知っておくと便利である。その為に温度とエネルギーを結びつけるボルツマン定数を1にセットするとよい。\(k_B\approx1.4\times10^{-23}[J/K]\)より
\begin{eqnarray}
1eV=e[J]\approx\frac{e}{1.4}\times10^{23}K\approx1.1\times10^4[K]
\end{eqnarray}
従って、だいたい1万度が1eVに対応することになる。

BSM:シーソー機構

ニュートリノの極微な質量を説明する機構としてシーソー機構なるものがある。その導入のためには右手型ニュートリノ\(\nu_R\)の導入が必要になる。このゲージ量子数は
\begin{eqnarray}
\nu_R=(1,1,0)
\end{eqnarray}
にとっておく。こうでなければ実験で観測されてしまうからだ。さて左手型ニュートリノと合わせて、次の質量項を導入する。
\begin{eqnarray}
\mathcal{L}_{neutrino-mass}=-\left(m_D
\epsilon_{ij}L_iH_j\overline{\nu_R}
+\frac{1}{2}M_M\nu_R\nu_R+h.c\right)
\end{eqnarray}
これはゲージ対称性に抵触しないので許される。添字Dはディラック、Mはマヨラナをやんわり意味している。ちなみに、この2つの質量は実数に取れる。この項のSSB後の形は
\begin{eqnarray}
\mathcal{L}_{neutrino-mass}
&\to&
-\left(m_DL_1H_2\overline{\nu_R}+\frac{1}{2}M_M\nu_R\nu_R+h.c\right)\\
&=&
-\left(m_D\nu_L\overline{\nu_R}\left(\frac{v+h}{\sqrt{2}}\right)+\frac{1}{2}M_M\nu_R\nu_R+h.c\right)\\
&=&
-\left(
\frac{m_Dv}{\sqrt{2}}\nu_L\overline{\nu_R}
+
\frac{m_D}{\sqrt{2}}\nu_L\overline{\nu_R}h
+
\frac{1}{2}M_M\nu_R\nu_R+h.c
\right)\\
&\equiv&
-\left(
M_D\nu_L\overline{\nu_R}
+
M_D\nu_L\overline{\nu_R}h
+
\frac{1}{2}M_M\nu_R\nu_R+h.c
\right)
\end{eqnarray}
となる。質量固有状態を求めるために対角化を実行しよう。そのために上記の
表式ではなく、$M_M\nu_R\nu_R+h.c=M_M\nu_R\nu_R+M_M\overline{\nu_R}~\overline{\nu_R}=M_M\overline{\nu_R}~\overline{\nu_R}+h.c$を用いて、\(\nu_R\)を$\overline{\nu_R}$に変えて議論する。
\begin{eqnarray}
&&M_D\nu_L\overline{\nu_R}
+
\frac{1}{2}M_M\overline{\nu_R}~\overline{\nu_R}+h.c\\
&=&\frac{1}{2}
\begin{pmatrix}
{\nu_L}&\overline{\nu_R}
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
0&M_D\\
M_D&M_M
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
\nu_L\\
\overline{\nu_R}
\end{pmatrix}
\end{eqnarray}
ここに現れた行列は実対称行列であるから実直交行列により対角化が可能である。この固有値は初等計算より
\begin{eqnarray}
\frac{M_M-\sqrt{M_M^2+4M_D^2}}{2}
~~~,~~~
\frac{M_M+\sqrt{M_M^2+4M_D^2}}{2}
\end{eqnarray}
の2つであると分かり、それぞれに対応した固有状態を$\nu_L^1,\nu_L^2$と書くとすると、以下のように書き換えることができる。
\begin{eqnarray}
\frac{1}{2}
\begin{pmatrix}
{\nu_L}&\overline{\nu_R}
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
0&M_D\\
M_D&M_M
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
\nu_L\\
\overline{\nu_R}\end{pmatrix}=
\frac{1}{2}
\begin{pmatrix}
{\nu_L^1}&\nu_L^2
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
\frac{M_M-\sqrt{M_M^2+4M_D^2}}{2}&0\\
0&\frac{M_M+\sqrt{M_M^2+4M_D^2}}{2}
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
\nu_L^1\\
\nu^2_L
\end{pmatrix}\nonumber\
\end{eqnarray}
ここまでは新しい粒子を導入し、ラグランジアンを書いてSSB後の形式を求めて質量固有状態を求めただけである。ここからが「シーソー機構」の肝である。シーソー機構ではマヨラナ質量$M_M$を$M_M>>M_D$となるように選ぶ。この条件のもとで質量固有値は次のように近似できる。$\sqrt{M_M^2+4M_D^2}\approx M_M+\frac{2M_D^2}{M_M}$より
\begin{eqnarray}
M_{\nu^1}=\frac{M_M-\sqrt{M_M^2+4M_D^2}}{2}&\approx&-\frac{M_D^2}{M_M}\\
M_{\nu^2}=\frac{M_M+\sqrt{M_M^2+4M_D^2}}{2}&\approx&M_M
\end{eqnarray}
符号の違いは後に議論するとして、この結果から分かるように$M_M$を増減させた時、$M_{\nu^1}$が上がれば$M_{\nu^2}$は下がるし、逆に$M_{\nu^1}$が下がれば$M_{\nu^2}$は上がる。まさにシーソーのような振る舞いであると言えよう。


ちなみに残しておいた符号の違いだが、対角化した後の質量固有状態を用いると
\begin{eqnarray}
\mathcal{L}_{neutrino-mass} &=& -\frac{1}{2} \left( M_{\nu^1}\nu_L^1\nu_L^1
+
M_{\nu^2}\nu_L^2\nu_L^2
+
h.c
\right)\\
&\approx&
-\frac{1}{2}
\left(
-\frac{M_D^2}{M_M}\nu_L^1\nu_L^1
+
M_M\nu_L^2\nu_L^2
+
h.c
\right)
\end{eqnarray}
のようになる。一見タキオン状態のようにも見えるが、それは見かけ上の問題で、何故なら$\nu^1_L$の定義の段階で位相の自由度があるからだ。つまり\(i\nu_L^1\)を新たに\(\nu_L^1\)と定義し直すことでマイナス符号を吸収することが出来るからだ。この場の再定義により、ニュートリノ質量項は
\begin{eqnarray}
\mathcal{L}_{neutrino-mass}
&\approx&
-\frac{1}{2}
\left(
\frac{M_D^2}{M_M}\nu_L^1\nu_L^1
+
M_M\nu_L^2\nu_L^2
+
h.c
\right)
\end{eqnarray}
という通常の形式に移行する。

素粒子標準模型:クォークセクター:クォークの運動項

クォークも左手系が特殊な組を作る。こちらも本当は三世代あるのだが、一世代やれば十分である。まず左手型アップクォークとダウンクォークは強い相互作用/弱い相互作用/電磁相互作用の3つに反応するので、量子数は以下のようになる。
\begin{eqnarray}
u_L^F&=&\left(3,2,\frac{1}{6}\right)\\
d_L^F&=&\left(3,2,\frac{1}{6}\right)\\
u_R^F&=&\left(3,1,\frac{2}{3}\right)\\
d_R^F&=&\left(3,1,-\frac{1}{3}\right)
\end{eqnarray}
ここで添字(F)は\(SU(3)\)対称性の添字で、カラーを表す添字である。歴史的な流れは置いておいて、アップクォークが電荷\(2/3\)、ダウンクォークが\(-1/3\)であると知っているので、それに合うようにハイパーチャージを選んだ。レプトンと並行に議論を進めたいので、左手型のアップ/ダウンクォークも以下のように\(SU(2)\)ダブレットに組もう。
\begin{eqnarray}
Q^F\equiv\begin{pmatrix}
u^F_{L}\\
d^F_{L}
\end{pmatrix}
\end{eqnarray}
具体的には
\begin{eqnarray}
u^F_L=\begin{pmatrix}
u_L^R\\
u_L^G\\
u_L^B
\end{pmatrix}
~~~~
d_L^F
=\begin{pmatrix}
d_L^R\\
d_L^G\\
d_L^B
\end{pmatrix}
\end{eqnarray}
のようにRGBの3つのカラーがある。さて、このQに対する共変微分を書き下そう。
\begin{eqnarray}
(D_\mu Q)_i^F
&\equiv&
\partial_\mu Q_{i}^F
-ig_3
G_\mu^a(T^a_3)^F_{~~F^\prime}Q^{F^\prime}_{i}
-ig_2
W_\mu^a(T^a_2)_{ij}Q^F{j}
-ig_1Y_{ij}B_\mu Q^F_{j}\\
&=&
(\nabla^3_\mu Q)^F_i-
-ig_2
W_\mu^a(T^a_2)_{ij}Q^F{j}
-ig_1Y_{ij}B_\mu Q^F_{j}
\end{eqnarray}
ここで記法の簡略のために\(SU(3)\)に対する共変微分を導入した\footnote{記法の簡略のためと言うか、今\(SU(3)\)にはあまり興味が無いので纏めてしまった。}。さて\(SU(2)\times U(1)\)の項に注目すると、公式\(e=g_2\sin\theta_w=g_1\cos\theta_w\)を用いて

\begin{eqnarray}
&&\left(-ig_2W_\mu^aT^a_2-ig_1YB_\mu\right)Q^F\\
&=&
\begin{pmatrix}
-\frac{ig_2}{2}W_\mu^3-\frac{ig_1}{6}B_\mu&-\frac{ig_2}{2}(W^1_\mu-iW^2_\mu)\\
-\frac{ig_2}{2}(W^1_\mu+iW^2_\mu)&
\frac{ig_2}{2}W_\mu^3-\frac{ig_1}{6}B_\mu
\end{pmatrix}\begin{pmatrix}
u^F_{L}\\
d^F_{L}
\end{pmatrix}\\
&=&
\begin{pmatrix}
-\frac{ig_2}{2}(c_wZ_\mu+s_wA_\mu)-\frac{ig_1}{6}(-s_wZ_\mu+c_wA_\mu)&-\frac{ig_2}{\sqrt{2}}W^+_\mu\\
-\frac{ig_2}{\sqrt{2}}W^-_\mu&
\frac{ig_2}{2}(c_wZ_\mu+s_wA_\mu)-\frac{ig_1}{6}(-s_wZ_\mu+c_wA_\mu)
\end{pmatrix}\begin{pmatrix}
u^F_{L}\\
d^F_{L}
\end{pmatrix}\nonumber\\
\\
&=&
\begin{pmatrix}
\left(
-\frac{ig_2}{2}c_w+\frac{ig_1}{6}s_w
\right)Z_\mu
+
\left(
-\frac{ig_2}{2}s_w-\frac{ig_1}{6}c_w
\right)A_\mu
&-\frac{ig_2}{\sqrt{2}}W^+_\mu\\
-\frac{ig_2}{\sqrt{2}}W^-_\mu&
\left(
\frac{ig_2}{2}c_w+\frac{ig_1}{6}s_w
\right)Z_\mu
+
\left(
\frac{ig_2}{2}s_w-\frac{ig_1}{6}c_w
\right)A_\mu
\end{pmatrix}\begin{pmatrix}
u^F_{L}\\
d^F_{L}
\end{pmatrix}\nonumber\\
\\
&=&
\begin{pmatrix}
\left(
-\frac{ig_2}{2}c_w+\frac{ig_1}{6}s_w
\right)Z_\mu
-i\left(\frac{2}{3}e\right)A_\mu
&-\frac{ig_2}{\sqrt{2}}W^+_\mu\\
-\frac{ig_2}{\sqrt{2}}W^-_\mu&
\left(
\frac{ig_2}{2}c_w+\frac{ig_1}{6}s_w
\right)Z_\mu
-i\left(-\frac{1}{3}e\right)A_\mu
\end{pmatrix}\begin{pmatrix}
u^F_{L}\\
d^F_{L}
\end{pmatrix}\nonumber\\
\end{eqnarray}

となり、そうなるように仕向けたのだが、アップクォークは電荷$2e/3$を、ダウンクォークは電荷$-e/3$を持つことが分かる。

右手型クォークに関する共変微分も、いつもの様に量子数に従って以下となる。
\begin{eqnarray}
(D_\mu u_R)^F
&\equiv&
\partial_\mu u_R^F
-ig_3
G_\mu^a(T^{a}3)^F_{~~F^\prime}u_R^{F^\prime}
-ig_1YB_\mu u_R^F\\
&=&
(\nabla^3_\mu u_R)^F
-ig_1YB_\mu u_R^F\\
&=&
(\nabla^3_\mu u_R)^F
-\frac{2ie}{3} A_\mu u_R^F
+
\frac{2ig_1}{3}\sin\theta_w Z_\mu u_R^F\nonumber\\
\\
(D_\mu d_R)^F
&\equiv&
\partial_\mu d_R^F
-ig_3
G_\mu^a(T^{a}3)^F_{~~F^\prime}d_R^{F^\prime}
-ig_1YB_\mu d_R^F\\
&=&
(\nabla_\mu^3 d_R)^F
-ig_1YB_\mu d^F_R\\
&=&(\nabla^3_\mu d_R)^F
+
\frac{ie}{3} A_\mu d_R^F

\frac{ig_1}{3}\sin\theta_w Z_\mu d_R^F
\end{eqnarray}
よって、クォークの運動項は
\begin{eqnarray}
\mathcal{L}_{quark-kin}=
i\bar{Q}^F_i\bar{\sigma}^\mu (D_\mu Q)^F_i
+
i\bar{u}_R^F\sigma^\mu (D_\mu u_R)^F
+
i\bar{d}_R^F\sigma^\mu (D_\mu d_R)^F
\end{eqnarray}
となり、SSB後の場で書けば以下を得る。
\begin{eqnarray}
\mathcal{L}_{quark-kin}
&=&
i\bar{u}_L^F\bar{\sigma}^\mu(\nabla_\mu^3 u_L)^F
+
i\bar{d}_L^F\bar{\sigma}^\mu(\nabla_\mu^3 d_L)^F
+
i\bar{u}_R^F\sigma^\mu(\nabla_\mu^3 u_R)^F
+
i\bar{d}_R^F\sigma^\mu(\nabla_\mu^3 d_R)^F\nonumber\\
&&
+\left[
\frac{2e}{3}\bar{u}^F_L\bar{\sigma}^\mu u_L^F

\frac{e}{3}\bar{d}^F_L\bar{\sigma}^\mu d_L^F
+
\frac{2e}{3}\bar{u}_R^F\sigma^\mu u^F_R

\frac{e}{3}\bar{d}_R^F\sigma^\mu d^F_R \right] A_\mu\nonumber\\
&&
+
\left[
\left(\frac{g_2}{2}\cos\theta_w-\frac{g_1}{6}\sin\theta_w\right)
\bar{u}^F_L
\bar{\sigma}^\mu u_L^F
+
\left(-\frac{g_2}{2}\cos\theta_w-\frac{g_1}{6}\sin\theta_w\right)
\bar{d}^F_L
\bar{\sigma}^\mu d_L^F\right.\nonumber\\
&&~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~\left.
-\frac{2g_1\sin\theta_w}{3}\bar{u}_R^F\sigma^\mu u_R^F + \frac{g_1\sin\theta_w}{3}\bar{d}^F_R\sigma^\mu d^F_R \right]Z_\mu\nonumber\\
&&
+\frac{g_2}{\sqrt{2}}\bar{u}_L^F\bar{\sigma}^\mu d_L^FW^+_\mu
+\frac{g_2}{\sqrt{2}}\bar{d}_L^F\bar{\sigma}^\mu u_L^FW^-_\mu\\
&=&
i\bar{u}_L^F\bar{\sigma}^\mu(\nabla_\mu^3 u_L)^F
+
i\bar{d}_L^F\bar{\sigma}^\mu(\nabla_\mu^3 d_L)^F
+
i\bar{u}_R^F\sigma^\mu(\nabla_\mu^3 u_R)^F
+
i\bar{d}_R^F\sigma^\mu(\nabla_\mu^3 d_R)^F\nonumber\\
&&
+\left[
\frac{2e}{3}\bar{u}^F_L\bar{\sigma}^\mu u_L^F

\frac{e}{3}\bar{d}^F_L\bar{\sigma}^\mu d_L^F
+
\frac{2e}{3}\bar{u}_R^F\sigma^\mu u^F_R

\frac{e}{3}\bar{d}_R^F\sigma^\mu d^F_R \right] A_\mu\nonumber\\
&&
+
\left[
\frac{e}{2\sin\theta_w\cos\theta_w}
\bar{u}^F_L
\bar{\sigma}^\mu u_L^F

\frac{e}{2\sin\theta_w\cos\theta_w}
\bar{d}^F_L
\bar{\sigma}^\mu d_L^F\right.\nonumber\\
&&~~~~~~~~~\left.
-\frac{2e\tan\theta_w}{3}\left(\bar{u}_L^F\bar{\sigma}^\mu u_L^F
+\bar{u}_R^F\sigma^\mu u_R^F\right) + \frac{e\tan\theta_w}{3}\left(\bar{d}_L^F\bar{\sigma}^\mu d_L^F+\bar{d}^F_R\sigma^\mu d^F_R\right) \right]Z_\mu\nonumber\\
&&
+\frac{e}{\sqrt{2}\sin\theta_w}\bar{u}_L^F\bar{\sigma}^\mu d_L^FW^+_\mu
+\frac{e}{\sqrt{2}\sin\theta_w}\bar{d}_L^F\bar{\sigma}^\mu u_L^FW^-_\mu
\end{eqnarray}

この式を再びディラックスピノルで書くために、以下の2つのディラックスピノル

\begin{eqnarray}
\psi^F_u&=&\begin{pmatrix}
u^F_L\\
u^F_R
\end{pmatrix}~~,~~
\psi_d^F=\begin{pmatrix}
d^F_L\\
d^F_R
\end{pmatrix}
\end{eqnarray}


を導入すると
\begin{eqnarray}
\lagrangian_{quark-kin}
&=&
\bar{\psi}^F_u(i\Slash{\nabla}\psi_u)^F
+
\bar{\psi}^F_d(i\Slash{\nabla}\psi_d)^F\nonumber\\
&&
+
\left[
\frac{2e}{3}\bar{\psi}^F_u\gamma^\mu\psi_u^F

\frac{e}{3}\bar{\psi}^F_d\gamma^\mu\psi_d^F
\right]A_\mu
+\frac{g_2}{\sqrt{2}}
\bar{\psi}_u^F\gamma^\mu P_L\psi_d^F W^+_\mu
+
\frac{g_2}{\sqrt{2}}
\bar{\psi}_d^F\gamma^\mu P_L\psi_u^F W^-_\mu\nonumber\\
&&
+\left[
\frac{e}{2\sin\theta_w\cos\theta_w}\left(
\bar{\psi}^F_u\gamma^\mu P_L\psi^F_u

\bar{\psi}^F_d\gamma^\mu P_L\psi^F_d
\right)
-\frac{2e\tan\theta_w}{3}
\bar{\psi}^F_u\gamma^\mu{\psi}^F_u
+\frac{e\tan\theta_w}{3}
\bar{\psi}^F_d\gamma^\mu{\psi}^F_d
\right]Z_\mu\nonumber\\
\end{eqnarray}
のように纏める事ができる。ここで更に以下のカレントを導入する。
\begin{eqnarray}
J^{\mu}_{q,+}&\equiv&\frac{e}{\sqrt{2}\sin\theta_w} \bar{\psi}_d^F\gamma^\mu P_L\psi_u^F\\ J^{\mu}_{q,-}&\equiv&\frac{e}{\sqrt{2}\sin\theta_w}
\bar{\psi}u^F\gamma^\mu P_L\psi_d^F\\
J_{q,em}^\mu&\equiv&
\frac{2e}{3}\bar{\psi}^F_u\gamma^\mu\psi_u^F-
\frac{e}{3}\bar{\psi}^F_d\gamma^\mu\psi_d^F\\
J_{q,Z}^\mu&\equiv&\frac{e}{2\sin\theta_w\cos\theta_w}\left(
\bar{\psi}^F_u\gamma^\mu P_L\psi^F_u

\bar{\psi}^F_d\gamma^\mu P_L\psi^F_d
\right)-\tan\theta_w\left(\frac{2e}{3}\bar{\psi}^F_u\gamma^\mu\psi_u^F-
\frac{e}{3}\bar{\psi}^F_d\gamma^\mu\psi_d^F\right)\nonumber\\
&=&
\frac{e}{2\sin\theta_w\cos\theta_w}\left(
\bar{\psi}^F_u\gamma^\mu P_L\psi^F_u

\bar{\psi}^F_d\gamma^\mu P_L\psi^F_d
\right)-\tan\theta_w J^\mu_{em}
\end{eqnarray}
このカレントを用いることでクォークの運動項に対する最終的な表式を得る。
\begin{eqnarray}
\mathcal{L}_{quark-kin}
&=&
\bar{\psi}^F_u(i\Slash{\nabla}\psi_u)^F
+
\bar{\psi}^F_d(i\Slash{\nabla}\psi_d)^F
+
J_{q,em}^\mu A_\mu+J_{q,Z}^\mu Z_\mu
+
J^{\mu}_{q,+}W^-_\mu+J_{q,-}^{\mu}W^+_\mu
\nonumber\
\end{eqnarray}