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JMO予選1991問2

$$x^{199}+10x-5=0\cdots①$$

の全ての解(199個)の199乗の和を求めよ。

【略解】

いくら

  • 対称式は基本対称式で表せる
  • 基本対称式の値は解と係数の関係からわかる

とはいえ、\(199\)乗のこの問題でその方針は厳しいでしょう。解を\(a_1,a_2,\cdots,a_{199}\)とおけば、求めたいのは\(a_1^{199},a_2^{199},\cdots,a_{199}^{199}\)の和ですから、\(a_1^{199},a_2^{199},\cdots,a_{199}^{199}\)を無理やり作り出すことがポイントです。

解\(a_k\)(ただし、\(1≦k≦199)\)を①に代入すると、\(a_k^{199}+10a_k-5=0\)より、\(a_k^{199}=-10a_k+5\)となります。

∴この式の\(k\)に\(1\)から\(199\)を代入していき、それらの式を足し合わせれば、

$$ a_1^{199}+a_2^{199}+\cdots+a_{199}^{199}=-10(a_1+a_2+\cdots+a_{199})+5×199=995$$

(∵解と係数の関係より\(a_1+a_2+\cdots+a_{199}=0)\)

と求められます。では、これならどうでしょうか…?

Q. JMO予選1991年問2

$$x^{199}+10x-5=0\cdots①$$

の全ての解(\(199\)個)の\(200\)乗の和を求めよ。

こちらは「\(200\)乗」を作り出すために、もう一工夫必要です。①を\(x\)倍して\(200\)乗を作ると、

$$ x^{200}+10x^2-5x=0\cdots②$$


となりますが、①の解は当然②でもあるので、\(a_k\)(ただし、\(1≦k≦199\))を②に代入して、

$$ a_k^{200}+10a_k^2-5a_k=0$$

より、

$$a_k^{200}=-10a_k^2+5a_k$$

が得られます。∴\(\ \)先程と同様に、この式の\(k\)に\(1\)から\(199\)を代入していき、それらの式を足し合わせれば、

$$
a_1^{200}+a_2^{200}+\cdots+a_{199}^{200}=-10(a_1^2+a_2^2+\cdots+a_{199}^2)+5\times(a_1+a_2+\cdots+a_{199})\cdots③$$


となりますね。\(a_1+a_2+\cdots+a_{199}=0\)は先ほど求めましたが、\(a_1^2+a_2^2+\cdots+a_{199}^2\)の方も解と係数の関係で

$$a_1^2+a_2^2+\cdots+a_{199}^2=(a_1+a_2+\cdots+a_{199})^2-2(a_1a_2+a_1a_3+\cdots+a_{198}a_{199})=0^2-0=0$$


とわかりますから、③より、求める値も\(0\)とわかりますね!
一般に、①の式から解と係数の関係で、\(a_1\sim a_{199}\)の\(197\)次の基本対称式の値は\(0\)ですから、解の\(1\)乗和から解の\(197\)乗和は全て\(0\)と考えられます。(∵\(a_1\sim a_{199}\)の\(197\)次以下の基本対称式で表せる)にも関わらず、\(199\)乗和が突然\(995\)という値になるなんてそんな数たちがあることがなんとなく不思議ですね。ところで\(198\)乗和はどうなってるでしょうか。\(200\)乗和の方針を真似れば出来るはずです。答えは\(-1980\)になりましたか?

JMO予選1991問1

\( A=999\cdots999(9が81個)\)とする。\(A^2\)の各位の和を求めよ。

【略解】

言われてみれば当たり前なのですが、一度経験しないと盲点になりがちなのが、\(A=10^{81}-1\)と表せるということです。これを用いれば、


$$ A^2=(10^{81}-1)^2=10^{162}-2\times 10^{81}+1=99\cdots9980\cdots0001$$


(\(9\)と\(0\)は\(80\)個ずつ)
となりますから、求める各位の和は
\(9×80+8+1=729\)となりますね。
ここまで真面目に考えずとも、

\begin{eqnarray}9^2&=&81\\ 99^2&=&9801\\ 999^2&=&998001\\ 9999^2&=&99980001\end{eqnarray}


のような規則が成り立っていることから答えを出すことも可能ですね。
ところで、この数の並びを見ていると


\begin{eqnarray} 8+1&=&9\\ 98+01&=&99\\998+001&=&999\\ 9998+0001&=&9999
\end{eqnarray}

のような規則が成り立っていることに気付きます。

実はこれには名前がついていて、このように、二乗した数が\(2n\)桁なら前半と後半を\(n\)桁ずつに、\(2n+1\)桁なら前半\(n\)桁と後半\(n+1\)桁に分けたあとに、足すことによって得られる数がもとの数に一致するとき、これを「カプレカ数」と呼びます。
先ほどの規則により、\(9,99,999,9999,\cdots\)は全てカプレカ数とわかりますね!
では、皆さんも、カプレカ数を見つけてみましょう。
※「カプレカ数」の概念は他にもあり、別のものを指す場合もあるので注意が必要です。

Q. \(45,55,4950,5050\)はカプレカ数である。ここからあと\(2\)つ、カプレカ数を見つけてみよ。

【略解】


\begin{eqnarray} 45&=&1+2+\cdots+9\\
55&=&1+2+\cdots+10\\ 4950&=&1+2+\cdots+99\\ 5050&=&1+2+\cdots+100
\end{eqnarray}

であることに気づけば、


\begin{eqnarray} 1+2+\cdots+999&=&499500\\ 1+2+\cdots+1000&=&500500
\end{eqnarray}


がカプレカ数であると予想でき、実際、

\begin{eqnarray} 499500^2&=&249500250000
\end{eqnarray}

なので


\begin{eqnarray} 499500&=&249500+250000\\
500500^2&=&250500250000\\
500500&=&250500+250000
\end{eqnarray}
より、確かに、\(499500\)や\(500500\)はカプレカ数であることがわかりますね。この先もこの規則は続いていき、「三角数かつカプレカ数であるような数」が無限個存在するなんてこともわかります!以上のことをまとめると…

  • \(99\cdots99\)はカプレカ数
  • \(1\sim 99\cdots99\)までの和もカプレカ数
  • \(1\sim100\cdots00\)までの和もカプレカ数

といったことがわかりました。
他の三角数で成り立つわけでもなく、このような性質があるのはなんともきれいな反面、不思議な気がしますね。

第1問 

図の三角形ABDにおいて、AB=CDである。このとき、?は何度か?

(算数オリンピック1993ファイナル)

【方針1】

等しい長さがあるので三角形\(ABC\)と合同な三角形を用意してくっつけましょう。  

そうすると四角形\(ACED\)が等脚台形であることが分かりますので、錯覚定理より、

$$\angle ADC=\angle DCE=40^{\circ}$$

【方針2】

方針1と同様に三角形\(ABC\)と合同な三角形を用意する。しかし、ここでは方針1とは逆になるようにくっつける。

すると\(AC=CF\)なので三角形\(ACF\)は\(C\)を頂点とする二等辺三角形であり、

$$\angle CAF=\angle CFA=40^{\circ}$$

三角形\(CFG\)の外角を考えて、\(\angle CGA=70^{\circ}\)なので\(AC=AG\)

また、\(\angle BAG=\angle BGA=70^{\circ}\)なので三角形\(ABG\)は\(B\)を頂角とする二等辺三角形で\(AB=AG\)

よって、三角形\(ABG\)と三角形\(ADC\)において、

  • \(BG=DC\)
  • \(AG=AC\)
  • \(\angle AGB=\angle ACD\)

なのでニ辺夾角相当で\(\triangle ABG\equiv \triangle ADC\)

したがって、対応角から

$$\angle ADC=\angle ABG=40^{\circ}$$

とわかる。

このように同じような方針でもくっつけ方次第でそのあとの難易度が全然違うことがあるのでしっかり検討してからくっつけるようにしましょう!!

また、これ以外の別解があれば教えてください!!

JMO予選1990問12

$$a_1=1,a_{n+1}=a_n+\frac{1}{a_n} \ \ (n\ge1)$$

で定められた数列\(\{a_n\}\)に対し,\([a_{100}]\)の値を求めよ.

【思考・方針】

$$a_2=2,a_3=\frac{5}{2},a_4=\frac{29}{10}\cdots$$

と求めて手が止まった人も多いでしょう.

ざっくりとしたイメージも入りますが

\(\cdot\ a_n\)は単調増加

\(\cdot\ a_n\)が大きいほど,\(a_{n+1}\fallingdotseq a_n\)

\(\cdot\ \)もっと言えば,\(a_{n+1}\fallingdotseq a_n+\frac{1}{a_n}\)であるから,

\(a_n=5\)なら,

$$a_{n+1}=5+\frac{1}{5}$$

$$a_{n+2}\fallingdotseq5+\frac{1}{5}+\frac{1}{5}$$

$$a_{n+3}\fallingdotseq5+\frac{1}{5}+\frac{1}{5}+\frac{1}{5}$$

のようになっていく.すると

$$a_n\fallingdotseq1+\frac{1}{1}+\frac{1}{2}+\frac{1}{2}+\frac{1}{3}+\frac{1}{3}+\frac{1}{3}+\frac{1}{4}+\cdots (全部で項の数はn)$$

のように考えられる.

\(∴\ (1+2+\cdots+13=91より)\)\(a_{100}\fallingdotseq14+\frac{8}{14}\)から答えは\(14\)と予想できます!

このように,答えだけならある程度予想は実は出来るのですが,ちょっと怪しい(誤差がでて\(13\)や\(15\)でもおかしくなさそう)ですから,真面目に考えてみましょう.

\(a_1\)からスタートして「増えてく分」を足し合わせると,与えられた漸化式から\(a_n=a_1+\frac{1}{a_1}+\frac{1}{a_2}+\cdots+\frac{1}{a_{n-1}}\)ですが,この\(a_1+\frac{1}{a_1}+\frac{1}{a_2}+\cdots+\frac{1}{a_{n-1}}\)の部分を\(1+\frac{1}{1}+\frac{1}{2}+\frac{1}{2}+\frac{1}{3}+\frac{1}{3}+\cdots\)と近似したのが先程の考え方ですが,もうすこし真面目に評価できないか,つまり\(14\)以上\(15\)未満を示せないかと考えてもこのままではなかなか難しいわけです.そこで,近似の精度をあげるため,二乗してみます.

(与えられた式は確かに二乗したくなる式ではありますね.)

$$a_{n+1}^2=a_n^2+\frac{1}{a_n ^2}+2$$

\(∴\ \)この式の\(n\)に\(1\sim99\)を代入したものを足し合わせることで,先程と似た式,

\begin{eqnarray}a_{100}^2&=&a_1^2+\frac{1}{a_1 ^2}+\cdots+\frac{1}{a_{99}^2}+2\times99\\∴\ a_{100}^2&=&\frac{1}{a_1 ^2}+\cdots+\frac{1}{a_{99} ^2}+199\end{eqnarray}

が得られます.こうすれば,我々の予想\([a_{100}]=14\)を示すには

$$\frac{1}{a_1 ^2}+\cdots+\frac{1}{a_{99} ^2}
が26未満 $$

を示せば良いですが,これは先程と比較しても小さい数の和ですからなんとかなりそうです!

\(n\ge 2\)のとき,\(\frac{1}{a_n ^2}\le\frac{1}{a_2 ^2}=\frac{1}{4}\)を用いれば,

$$\frac{1}{a_1 ^2}+\cdots+\frac{1}{a_{99} ^2}\le1+98\times\frac{1}{4}=25.5<26$$

となり,なんとか,\(196\le a_{100}^2<225\)が示せましたから,答えは\(14\)とわかりました!

難しい道具は一切使っていませんが,かなりの難問と言っていいでしょう.それではもう1問,同じ漸化式にまつわる似たような問題を考えてみましょう.

今回は,日本の数学オリンピックの類題が海外の数学オリンピックで出題された例です.

Q.\(\ \ \)漸化式

$$a_{n+1}=a_n+\frac{1}{a_n} \ \ (n\ge0)$$

を満たす数列\(\{a_n\}\)に対し,初期値\(a_0\)がどんな正の実数であっても,\(a_{1996}>63\)を示せ.

(1996年南半球数学オリンピック問2)

下からの評価のみで良いこともあり,先ほどよりも2乗をしたくなるのではないのでしょうか?というわけで,先ほどの問題をみたあとなら簡単ですね.漸化式を2乗すると

$$a_{n+1}^2=a_n^2+\frac{1}{a_n ^2}+2$$

\(∴\ \)この式の\(n\)に\(0\sim1995\)を代入したものを足し合わせることで,

\begin{eqnarray}a_{1996}^2&=&a_0^2+\frac{1}{a_0 ^2}+\cdots+\frac{1}{a_{1995}^2}+2\times1996\\&\ge&3992>3969=63^2\end{eqnarray}

より,\(a_0>0\)と漸化式を繰り返し用いて\(a_{1996}>0\)を加味すれば,\(a_{1996}>63\)が示せますね!

先ほどよりも不等式評価につまらずにすむあたり,解きやすくなっていますね.ただし,日本の方は答えだけでよかった分,どちらの方が難しいかは微妙なところな気もしますが.

JMO予選1990問10

\(x,y,z\)を正の数とする。\(x+y+z=1\)のとき、\(\frac{1}{x}+\frac{4}{y}+\frac{9}{z}\)の最小値を求めよ。

【思考・方針】

多変数関数の最大・最小は順像法や逆像法など、様々な方針がありますが、数学オリンピックではむしろ特殊な不等式の利用がメインでしょう。

JMOの本選やIMOなどでは様々な特殊な不等式を使うはめになりますが、いきなりいろんな道具を使いこなすのは難しいうえ、覚えるのも大変なので、まずは特に有名な

\(\cdot\ \)相加相乗平均の不等式

\(\cdot\ \)コーシーシュワルツの不等式

を何変数であっても使いこなせるようにしておくのがよいでしょう。

知ってても使えるようになるには、多少の慣れが必要ですが、逆に言えば、ある程度、経験すれば出来るようになります。今回は、コーシーシュワルツの不等式の利用です。(まだ思い付いてない人はそれをヒントに考えてみましょう。)

3変数コーシーシュワルツの不等式

\begin{eqnarray}(a^2+b^2+c^2)(p^2+q^2+r^2)\ge(ap+bq+cr)^2\end{eqnarray}

において、\(a=\sqrt{x},b=\sqrt{y},c=\sqrt{z},p=\frac{1}{\sqrt{x}},q=\frac{2}{\sqrt{y}},r=\frac{3}{\sqrt{z}}\)を考えましょう。

すると、

\begin{eqnarray}(x+y+z)\left(\frac{1}{x}+\frac{4}{y}+\frac{9}{z}\right)\ge(1+2+3)^2\end{eqnarray}

より、\(\frac{1}{x}+\frac{4}{y}+\frac{9}{z}\ge36\)となりますから、等号が成立する

\begin{eqnarray}\frac{a}{p}=\frac{b}{q}=\frac{c}{r}\Leftrightarrow x=\frac{y}{2}=\frac{z}{3}\Leftrightarrow x=\frac{1}{6},y=\frac{1}{3},z=\frac{1}{2}\end{eqnarray}

のとき、\(\frac{1}{x}+\frac{4}{y}+\frac{9}{z}\)は最小値36をとる。

\((x,y,z)\)と\((\frac{1}{x},\frac{4}{y},\frac{9}{z})\)の「内積が定数」のような形の時にコーシーシュワルツの不等式が活躍します。また、他のよくあるパターンとして、「ルート型」も見ておきましょう。東大入試に挑戦です。

Q.\(\ \ \)任意の正の実数\(x,y\)に対し、

\begin{eqnarray}\sqrt{x}+\sqrt{y}\le k \sqrt{2x+y}\cdots①\end{eqnarray}

となるような正の実数$k$の範囲を求めよ。

(東大理系1995問1)

【略解】

もちろん入試問題ですし、微分などをごりごり使って倒すのもよい作戦だとは思いますが、ここではコーシーシュワルツの不等式を使った解法を紹介しましょう。①の両辺は正ですから、

\begin{eqnarray}①\Leftrightarrow k^2(2x+y)\ge(\sqrt{x}+\sqrt{y})^2\cdots②\end{eqnarray}

です。少し、近付きましたね。

さて、コーシーシュワルツの不等式を使うことを強く意識すると、

\begin{eqnarray}\left(\frac{1}{2}+1\right)(2x+y)\ge(\sqrt{x}+\sqrt{y})^2\end{eqnarray}

という不等式が作れます。

\begin{eqnarray}∴\frac{3}{2}(2x+y)\ge(\sqrt{x}+\sqrt{y})^2\cdots③\end{eqnarray}

となり、\(\frac{1}{2}:1=2x:y\)(例えば\(x=1,y=4\)など)のときに③の等号が成立してしまうことも加味すれば、②をみたす\(k\)の条件は\(k^2\ge\frac{3}{2}\)

となり、求める条件は\(k\ge\frac{\sqrt{6}}{2}\)となりますね!

このように、コーシーシュワルツの不等式などの特殊な不等式を利用する問題は、様々な経験をし、使えそうな時に「使えそうだな」と思う嗅覚が必要なうえ、用いる有名不等式を強く意識して不等式を作る必要があります。慣れないと難しいですが、その分、解けたときの達成感が味わえる分野の1つです。

JMO予選1990問9

正の整数\(n\)に対し,

$$a_n=n^2+50, \ d_n={\rm{gcd}}(a_n,a_{n+1})$$

とする.\(n\)が正の整数全体を動くとき,\(d_n\)の最大値を求めよ.ここで,\({\rm{gcd}}(a,b)\)で\(a\)と\(b\)の最大公約数を表す.

【思考・方針】

下手なことをせず,\(a_n,a_{n+1}\)は\(n\)の式で表せます.あとは最大公約数を求めるときの基本方針の1つである互除法を使えば解決です.

\begin{eqnarray} {\rm{gcd}}(a_n,a_{n+1}) &=&{\rm{gcd}}(n^2+50,n^2+2n+51)\cdots①\\ &=&{\rm{gcd}}(n^2+50,2n+1)\cdots②\\ &=&{\rm{gcd}}(4n^2+200,2n+1)\cdots③\\ &=&{\rm{gcd}}(201,2n+1)\cdots④ \end{eqnarray}

と計算できますね.

①は一般項から,②,③は互除法です.

③に式変形をするところで戸惑うかもしれませんが,これは,②で互除法を使おうとすると分数式が出てしまうので,\(2n+1\)が奇数であるから,\(n^2+50\)を\(4\)倍しても最大公約数は代わらないことを利用した式変形です.

ここまでくれば,\(d_n={\rm{gcd}}(201,2n+1)\)の最大値は\(201\ (2n+1\)が\(201\)の倍数のとき)とわかります.実際に

\begin{eqnarray}a_{100}&=&10050=201\times50\\ a_{101}&=&10251=201\times51 \end{eqnarray}

と計算して確かめておくとよいでしょう.文字の絡んだ互除法になれたい人は以下の類題でも考えてみてください.記念すべき第1回IMOの第1問です.

Q.\(\ \ \)任意の正の整数に対し,\(\frac{21n+4}{14n+3}\)は既約分数であることを示せ.

(IMO1959問1)

【略解】

\(21n+4\)と\(14n+3\)の最大公約数が\(1\)であることを確かめればいいですね.互除法を使うと

\begin{eqnarray}{\rm{gcd}}(21n+4,14n+3)={\rm{gcd}}(7n+1,14n+3)={\rm{gcd}}(7n+1,1)=1 \end{eqnarray}

となりますから,これで無事,示せました!

ちなみに,互除法を使うとこんな簡単に示せてしまう問題で互除法を使っていいのか!という人は,

\begin{eqnarray} -2(21n+4)+3(14n+3)=1\cdots①\end{eqnarray}

であり,もし,\({\rm{gcd}}(21n+4,14n+3)=d\ge 2\)とすると,\(21n+4,14n+3\)は両方\(d\)の倍数なので①の左辺は\(d\)の倍数となるが,①の右辺は\(d\)の倍数でないというふうに説明した方がいいかもしれません.

記念すべき第1回IMOの最初の1問は今と比べ物にならないくらい簡単なのですね.

JMO予選1990問8

正の整数\(n\)に対して定義された関数\(f\)は

$$ f(n) = \begin{cases} n-3 & (n\ge 1000のとき) \\ f(f(n+7)) & (n<1000のとき) \end{cases} $$

満たす.\(f(90)\)を求めよ.

【思考・方針】

関数方程式の問題の基本は,「様々な値を代入」です.(これをしない関数方程式の問題なんて存在しないといっても過言ではないでしょう.)

もちろん,\(n\)が\(1000\)以上のときの\(f(n)\)の値は簡単で,

\( f(1006)=1003\)

\(f(1005)=1002\)

\(f(1004)=1001\)

\(f(1003)=1000\)

\(f(1002)=999\)

\(f(1001)=998\)

\(f(1000)=997\)

はすぐわかるでしょう.また,\(n\)が\(1000\)未満のときの\(f(n)\)の値は上から決まり,

\(f(999)=f(f(1006))=f(1003)=1000\)

\(f(998)=f(f(1005))=f(1002)=999\)

\(f(997)=f(f(1004))=f(1001)=998\)

\(f(996)=f(f(1003))=f(1000)=997\)

\(f(995)=f(f(1002))=f(999)=1000\)

\(f(994)=f(f(1001))=f(998)=999\)

\(f(993)=f(f(1000))=f(997)=998\)

\(f(992)=f(f(999))=f(1000)=997\)

\(f(991)=f(f(998))=f(999)=1000\)

\(f(990)=f(f(997))=f(998)=999\)

\(f(989)=f(f(996))=f(997)=998\)

\(f(988)=f(f(995))=f(1000)=997\)

\(f(987)=f(f(994))=f(999)=1000\)

ここまでくればもうわかるでしょう.(実験はこのくらい徹底的にやりましょう.)「1000,999,998,997」の繰り返しになっていますね.

というわけで\(f(90)=999\)が答えです.

なぜこの規則が成り立つかは帰納法により,(真面目に書くのは面倒ですが,簡単に)確認できますから,各自確認してみてください.「読者への演習問題とする.」ってやつです.

ところで,僕は今紹介した方針で解きましたが,もう一人のこのHPのライターさんは

\begin{eqnarray} f(90)&=&f(f(97))=f(f(f(101)))=\cdots\\ &=&f(f(f(\cdots f(1000)\cdots))) (fが131個) \end{eqnarray}

として,\(f\)が1つつく度に\(f(f(f(\cdots f(1000)\cdots)))\)は

$$1000\rightarrow997\rightarrow998\rightarrow999\rightarrow1000\rightarrow997\cdots$$

のよう,繰り返しになるので,答えは999とかっこよく求めていました!

こちらの方が,説明がしやすいですね.

ちなみに,この問題にかなり酷似した(というか単なる数値が変わっただけの)問題が昔のAIME(アメリカの数学のコンテスト,日本で言うJMO予選のようなものです)に出題されています.

Q.\(\ \ \)正の整数\(n\)に対して定義された関数\(f\)は

$$ f(n) = \begin{cases} n-3 & (n\ge 1000のとき) \\ f(f(n+5)) & (n<1000のとき) \end{cases}$$

満たす.\(f(84)\)を求めよ.

(AIME1984年問7)

全く同じ問題ですから,答えのみの紹介としておきます.\(n\)が\(1000\)未満のときの\(f(n)\)の値は\(n\)が偶数のとき\(997,n\)が奇数のとき\(998\)となり,答えは\(997\)です.もちろん,できますね?

(1990年はJMO予選のようなものが始まった年ですから,このように外国の数学コンテストと似た問題が出題されましたが,近年ではさすがにここまで似た問題が出ることは恐らく無いでしょう.)

JMO予選1990問7

\( A=4^{27}+4^{500}+4^{n}\) が平方数となる最大の自然数\(n\)を求めよ.

【思考\(\cdot\)方針】

平方数の問題で意識すべきは,

\(\cdot\ mod\ 3,mod\ 4\)を考えてみる

の他に,

\(\cdot \ \)平方数同士をかけても平方数

\(\cdot\ \)割りきれるなら,平方数を平方数でわっても平方数

といった「当たり前」や,

\(\cdot\ \)隣り合う平方数同士の差は(\(3,5,7,9,\cdots\)のよう)どんどん大きくなっていく

\(\cdot\ \)隣り合う平方数の間に平方数はない

などの不等式的な見方も重要です.今回はこのような考え方が活躍する問題です.

まず,「最大の自然数\(n\)」なんてそもそも存在するの?と思った人もいるかもしれませんが,これは不等式的に見れば明らかです.\(4^n=(2^n)^2\)は平方数ですから,それに定数\(4^{27}+4^{500}\)を加えても平方数となるには,あまりに\(n\)が大きすぎると,次の平方数\((2^n+1)^2\)にすらたどり着かなくなってしまいます.

(逆に,\(n\)が小さすぎても,\(4^{500}\)の次の平方数に\(A\)が満たないことになりますね.)

\(A\)は偶数ですから,\((2^n+1)^2\)にはならないので,少なくとも\(A\)は\((2^n+2)^2\)以上じゃなければなりません.もしも,\(A\)が\((2^n+2)^2\)に一致すれば答えな気もしますが,残念ながら

$$4^{27}+4^{500}=2^{n+2}+4$$

となり,\(n\)が求まりません.

ここで,\(4^{27}\)が\(4\)だったらなぁ\(\cdots\)と思うわけですが,じゃあ\(4\)にしてしまいましょう.

先ほども言ったよう,\(n\)はある程度は大きい.少なくとも\(27\)よりは大きそうですから,\(n\ge27\)範囲で答えを探ると,\(A\)を\(4^{26}\)でわった,\(4+4^{474}+4^{n-26}\)も平方数のはずです.そしてこれが平方数なのは,少なくとも,\(4^{n-26}=(2^{n-26})^2\)の次の偶数の平方数\((2^{n-26}+2)^2\)以上のとき.

\begin{eqnarray}&∴&4+4^{474}+4^{n-26}\ge(2^{n-26}+2)^2\\ &\Leftrightarrow&4^{474}\ge2^{n-24}\\ &\Leftrightarrow&2^{948}\ge2^{n-24}\\ &\Leftrightarrow&948\ge n-24\Leftrightarrow n\le972\end{eqnarray}

となり,\(n\)が上から押さえられ,しかも,等号が成り立つとき,

$$A=4^{27}+4^{500}+4^{n} =4^{26}(4+4^{474}+4^{n-26})=4^{26}(2^{946}+2)^2$$

となり,平方数となるとわかりましたから,求める\(n\)は\(972\)ですね!

答えだけでなく,真面目な不等式の論証も同時にやったので,少し複雑でしたが,もう1問,似たような考え方が鍵となる問題をみてみましょう.難問です.

Q.\(\ \ 2n^2+1,3n^2+1,6n^2+1\)が全て平方数となる自然数\(n\)は存在しないことを示せ.

(JMO本選2004年問1)

【略解】

難問でしたがいかがでしょうか.このような自然数\(n\)が存在したとします.全て平方数ということはかけても平方数です.しかし,6次式と平方数は相性が微妙なので,さらに\(n^2\)をかけて,8次式にしてしまいましょう.

\begin{eqnarray}&&n^2(2n^2+1)(3n^2+1)(6n^2+1)\\ &=&(6n^4+5n^2+1)(6n^4+n^2)\cdots① \end{eqnarray}

これが平方数となるかどうかですが,これは隣り合う平方数で挟めそうです!

\begin{eqnarray}①&=&36n^8+36n^6+11n^4+n^2\\ (6n^4+3n^2)^2&=&36n^8+36n^6+9n^4\cdots②\\ (6n^4+3n^2+1)^2&=&36n^8+36n^6+15n^4+6n^2+1\cdots③ \end{eqnarray}

より,①は隣り合う平方数②,③の間にあるので,平方数でなくなってしまいました!

よって,条件を満たす自然数$n$は確かに存在しませんね!

やってること自体は簡単だけど思いつくのは難しい.数学オリンピックらしい1問ですね.僕は強くこの問題が印象に残っているのですが,皆さんの「印象に残る1問」に追加されたら嬉しいです.

JMO予選1990問4

\(3\)人の力士\(A,B,C\)が「巴戦」をする.すなわち,まず,\(A,B\)の二人が\(1\)回戦目を行い,\(2\)回戦目以降は前の戦いで勝った人と前の戦いで戦わなかった人が戦う.\(2\)連勝した力士を優勝とする.\(7\)回戦行った上で,\(2\)連勝した力士がいなかった場合は優勝者なしとする.どの力士も各々の戦いで勝つ確率は\(1/2\)として,\(1\)回戦目で負けた力士が優勝する確率を求めよ.

【思考・方針】

大学入試にもよく出題される「巴戦」です.一度この手の問題を経験したことがある,もしくは,日頃から巴戦に親しんでいれば,パターンが実はほぼないことを知っているので楽勝ですし,知らない人も,樹形図を試しに書いてみれば,全然枝分かれしない様子がわかるでしょう.

簡単のため,\(1\)回戦目は\(A\)が勝ったとしましょう.すると

2回戦\(A\)vs\(C\)→\(A\)優勝or\(C\)が勝ち,続行

3回戦\(C\)vs\(B\)→\(C\)優勝or\(B\)が勝ち,続行

4回戦\(B\)vs\(A\)→\(B\)優勝or\(A\)が勝ち,続行

5回戦\(A\)vs\(C\)→\(A\)優勝or\(C\)が勝ち,続行

6回戦\(C\)vs\(B\)→\(C\)優勝or\(B\)が勝ち,続行

7回戦\(A\)vs\(B\)→\(B\)優勝or\(A\)が勝つ

のよう,試合のパターンや各々が優勝するタイミングというのは限られています.

∴\(\ B\)が優勝する確率は\(4\)回戦目で優勝する確率と\(7\)回戦目で優勝する確率を足し合わせ,

\begin{eqnarray}\left(\frac{1}{2}\right)^3+\left(\frac{1}{2}\right)^6=\frac{9}{64}\end{eqnarray}

です.\(A\)が\(1\)回戦目で負けた場合も同様ですから,\(1\)回戦目で負けた力士が優勝する確率は,

\begin{eqnarray}\frac{9}{64}\times2=\frac{9}{32}\end{eqnarray}

ですね!

むしろ気になるのは次のような疑問でしょうか.

Q.\(\ \ \)今の問題に対し,\(7\)回戦目でおしまいにせず,誰かが優勝するまで勝負を続けるとき,最初に戦う力士と最初に戦わない力士はどちらが有利か?

【略解】

\(n\)回やって勝負がつかない確率は\(\left(\frac{1}{2}\right)^{n-1}\)ですから,\(n\to\infty\)とすると\(0\)となるので,優勝者が決まらない確率は\(0\)と見なせます.

\(1\)回戦目で戦わなかった\(C\)が優勝する確率は,\(1\)回戦目のみはどちらが勝ってもいいことに注意して,無限等比級数の公式より,

\begin{eqnarray}&&(3回戦目で優勝が決まる確率)+(6回戦目で優勝が決まる確率)+\cdots\\ &=&\left(\frac{1}{2}\right)^2+\left(\frac{1}{2}\right)^5+\left(\frac{1}{2}\right)^8+\cdots=\left(\frac{1}{4}\right)÷\left(1-\frac{1}{8}\right)=\frac{2}{7}\end{eqnarray}

となります!そして,\(A\)と\(B\)の条件の対等性から,\(A\)が優勝する確率も\(B\)が優勝する確率も同じですから,\(\left(1-\frac{2}{7}\right)÷2=\frac{5}{14}\)となりますね.

これにより,\(A,B,C\)の優勝する確率の比は\(5:5:4\)となりました!\(C\)さんは若干不利なのですね.

ちなみに,\(A\)が\(B\)に勝った状態で次の試合を迎えるとき,\(A,B,C\)の優勝確率はそれぞれ,

\begin{eqnarray}&&\left(\frac{1}{2}\right)^1+\left(\frac{1}{2}\right)^4+\left(\frac{1}{2}\right)^7+\cdots\\ &=&\left(\frac{1}{2}\right)÷\left(1-\frac{1}{8}\right)\\ &=&\frac{4}{7}\\ &&\left(\frac{1}{2}\right)^3+\left(\frac{1}{2}\right)^6+\left(\frac{1}{2}\right)^9+\cdots\\ &=&\left(\frac{1}{8}\right)÷\left(1-\frac{1}{8}\right)\\ &=&\frac{1}{7}\\ &&\left(\frac{1}{2}\right)^2+\left(\frac{1}{2}\right)^5+\left(\frac{1}{2}\right)^8+\cdots\\ &=&\left(\frac{1}{4}\right)÷\left(1-\frac{1}{8}\right)=\frac{2}{7}\end{eqnarray}

となりますね.つまり,巴戦では,

  • 直前の勝負に対して勝った人,戦わなかった人,負けた人の優勝確率の比は\(4:2:1\)
  • \(1\)回戦目で戦わない人は若干不利

ということがわかります.

皆さんも,巴戦をやるときは意地でも\(1\)回戦目に出場するようにしましょうね!

JMO予選1990問3

\(A^2\)の下三桁が\(0\)でない全て同じ数になるという.そのような自然数\(A\)のうち,最小のものを求めよ.

【思考・方針】

皆さん気づきました?\(\ \)僕は,「\(144\)も\(1444\)も平方数」というのを耳にしたことがあったので,どうせ,\(\sqrt{1444}=38\)が答えだろうと思った結果,こんな解答になりました.

\(111,222,\cdots,999\)は\(37\)の倍数だが\(37^2\)の倍数ではないので,平方数でない.

\(1111=11\times101\)は平方数でない.

また,\(\ \)(調べれば簡単にわかるよう,)\(\ \)一の位が\(2,3\)の平方数はありませんから,\(1222,1333\)でない.そして,\(1444=38^2\)より\(38\)が答え.

しかし,まさかこんなに早く平方数が登場するなんて思わなかった!という人もいるでしょうから,他の視点から答えを探っていきましょう.

上の解答にもあったよう,平方数の一の位は限られるので,

$$A^2の下3桁は111,444,555,666,999\cdots①$$

にしぼられます.さらに,整数問題では\(mod\)を考える,特に

$$『平方数を3や4で割った余りは0か1』$$

は平方数の問題の定石です.(知らなかった人は確かめてみましょう.)

今回は\(mod\ 4\)で考えれば,(4で割った余りは下二桁で見抜けますから)\(\ \)①の中で\(4\)で割った余りが\(0\)か\(1\)のものを考えれば,\(A^2\)の下三桁は\(444\)で確定です.

候補は\(1/10\)に絞り込めましたから,\(1444,2444\cdots\)の中から平方数を探すと,いきなり\(1444=38^2\)がみつかってしまうというわけです.

ここまで来ると,次のような疑問が出てきます.

Q.\(\ \ \)下四桁が\(0\)以外のぞろ目であるような平方数は存在するか.

【略解】

上の議論により,下三桁の時点で\(4\)のぞろ目しかありえません.下手に\(mod\)とか考えず,まずは素朴に文字でおいてみましょう.下四桁が\(4444\)の平方数が存在する,つまり,

$$n^2=10000a+4444\cdots①\ \ (n,aは自然数)$$

とします.

すると,\(n\)は偶数ですから,自然数\(m\)を用いて\(n=2m\)と表せ,これを①に代入すると,\(m^2=2500a+1111\)となりますが,これは下二桁が\(11\)の平方数,つまり\(4\)で割った余りが\(3\)の平方数が存在することとなり矛盾です.

∴\(\ \)下四桁が\(0\)以外のぞろ目となる平方数は存在しないことが示せました!

皆さんもお友達に,「\(144,1444\)は平方数だから\(14444\)も平方数なんだ!」とか言ってる人がいたら,注意してあげてくださいね.