フーリエ級数:第3回:フーリエ級数の係数計算(その2)

話しが脱線しすぎたので、フーリエ級数展開の形を再掲する。

\begin{eqnarray}
f(x)=\frac{a_0}{2}+\sum_{n=1}^{\infty}
\left(
a_n\cos\left(\frac{n\pi x}{L}\right)
+
b_n\sin\left(\frac{n\pi x}{L}\right)
\right)\label{341}
\end{eqnarray}

また積分公式も再掲すると

\begin{eqnarray}
\int_{-L}^{L}\cos\left(\frac{m\pi x}{L}\right)\cos\left(\frac{n\pi x}{L}\right)dx&=&L\delta_{mn}\\
\int_{-L}^{L}\sin\left(\frac{m\pi x}{L}\right)\sin\left(\frac{n\pi x}{L}\right)dx&=&L\delta_{mn}\\
\int_{-L}^{L}1\times 1dx&=&2L
\\
\nonumber\\
\int_{-L}^{L}\cos\left(\frac{m\pi x}{L}\right)\sin\left(\frac{n\pi x}{L}\right)dx&=&0\\
\int_{-L}^{L}1\times \sin\left(\frac{n\pi x}{L}\right)dx&=&0
\\
\int_{-L}^{L}1\times \cos\left(\frac{m\pi x}{L}\right)dx&=&0
\end{eqnarray}

であった。フーリエ級数の公式を頑張って覚える人がいる。もちろん覚えるに越したことはないが、上記の公式から簡単に導けるし、なにより係数の確認にもなるから公式を覚えるよりもその導出を覚えるべきである。

さて、いよいよ係数を実際に求めていこう。まず\(a_0\)を求めてみよう。そのためには両辺に1を掛けてを\(-L\)から\(L\)まで積分すれば良い。すると

\begin{eqnarray}
\int_{-L}^Ldx~1\times f(x)=
\int_{-L}^{L}dx~1\times \frac{a_0}{2}+\sum_{n=1}^{\infty}
\left(
a_n\int_{-L}^{L}dx~1\times \cos\left(\frac{n\pi x}{L}\right)
+
b_n\int_{-L}^{L}dx~1\times \sin\left(\frac{n\pi x}{L}\right)
\right)\nonumber\\
\end{eqnarray}

すると直交関係式からシグマの中身は全て0になり、

\begin{eqnarray}
a_0=\frac{1}{L}\int_{-L}^Lf(x)dx
\end{eqnarray}

と求まる。次に\(a_1\)の係数を求めてみよう。)そのためには両辺に\(\cos\left(\frac{\pi x}{L}\right)\)を掛け両辺\(-L\)から\(L\)まで積分すれば良い。すると
\begin{eqnarray}
\int_{-L}^Ldx \cos\left(\frac{\pi x}{L}\right) \times f(x)&=&\int_{-L}^Ldx \cos\left(\frac{\pi x}{L}\right) \times \frac{a_0}{2}+\sum_{n=1}^{\infty}
\left(
a_n\int_{-L}^Ldx \cos\left(\frac{\pi x}{L}\right) \times \cos\left(\frac{n\pi x}{L}\right)\right.\nonumber\\
&&~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
+
\left.b_n\int_{-L}^Ldx \cos\left(\frac{\pi x}{L}\right) \times \sin\left(\frac{n\pi x}{L}\right)
\right)\nonumber\\
\end{eqnarray}

直交関係式より右辺の第一項とシグマの中の\(a_1\)以外の項全てが0になる。これより

\begin{eqnarray}
a_1=\frac{1}{L}\int_{-L}^L f(x)\cos\left(\frac{\pi x}{L}\right)dx
\end{eqnarray}
を得る。他の項の求め方も全く同じで、例えば\(b_1\)を求めたければ一番上の式の両辺に
\begin{eqnarray}
\int_{-L}^Ldx \sin\left(\frac{\pi x}{L}\right) \times
\end{eqnarray}
を掛ければいいし、\(a_{100}\)を求めたければ
\begin{eqnarray}
\int_{-L}^Ldx \cos\left(\frac{100\pi x}{L}\right) \times
\end{eqnarray}
を掛ければいい。これを一般化する事で次の最終結果が得られる。
\begin{eqnarray}
a_n&=&\frac{1}{L}\int_{-L}^L f(x)\cos\left(\frac{n\pi x}{L}\right)dx\\
b_n&=&\frac{1}{L}\int_{-L}^L f(x)\sin\left(\frac{n\pi x}{L}\right)dx
\end{eqnarray}
これでフーリエ級数展開の展開係数を完全に求めることが出来た。次次次回ではこのフーリエ級数展開を用いて、次の有名公式
\begin{eqnarray}
\frac{\pi^2}{6}=\frac{1}{1^2}+\frac{1}{2^2}
+\frac{1}{3^2}
+\frac{1}{4^2}
+\frac{1}{5^2}
+\cdots
\end{eqnarray}
を求めたいと思う。

おまけ: 今まで求めてきたフーリエ級数展開は周期\(2L\)の周期関数のフーリエ級数であった。これは一般性を上げるためにそうしただけであって、物理や数学で使う時はたいてい周期\(2\pi\)関数が登場しの、周期\(2\pi\)のフーリエ級数
を使う事が多い。実際、この後フーリエ級数を用いていくつか計算をするが、その際にも周期\(2\pi\)のフーリエ級数を使う。

従って一応周期\(2\pi\)のフーリエ級数の公式を書いておく(と言っても、やることは第三回で導いた公式の\(L\)に\(\pi\)を代入するだけなので自明な結果だが、、、)。
周期\(2\pi\)の周期関数は以下の様に展開できる。
\begin{eqnarray}
f(x)&=&\frac{a_0}{2}
+\sum_{n=1}^\infty
\left(
a_n\cos(nx)+b_n\sin (nx)
\right)\\
a_n&=&\frac{1}{\pi}\int_{-\pi}^\pi f(x)\cos(nx)dx\\
b_n&=&\frac{1}{\pi}\int_{-\pi}^\pi f(x)\sin(nx)dx
\end{eqnarray}

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