JMO2019本選問3

【分析】

入賞を目指すならこの問題までは落とせないといったところでしょうか。見た目がごつくて一瞬びびってしまいますがこのような問題の定石「\(x,y\)に適当に数字を代入して必要条件調べる」で攻めていきましょう。しかし、本選だけあってこれだけでは\(f(2)\)が鍵なのかな?といったことはわかるものの手が止まってしまいます。そこで今回は\(f\)の候補を探すことにしましょう。(見つけたら部分点をもらえる可能性もありますし)そうすると\(f\)の候補として定数項のない1次関数が見つかるのではないでしょうか。実はこれ以外にはないということが示せてしまいます。

【略解】

$$f\left(\frac{f(y)}{f(x)}+1\right)=f\left(x+\frac{y}{x}+1\right)-f(x)\cdots ☆$$

☆に\(y=x\)を代入すると

$$f(2)=f(x+2)-f(x)\cdots ①$$

☆に\(x=2\)を代入すると

\begin{eqnarray}f\left(\frac{f(y)}{f(2)}+1\right)&=&f\left(2+\frac{y}{2}+1\right)-f(2)\\ &=&f\left(\frac{y}{2}+1\right)\ (∵①)\cdots \# \end{eqnarray}

ここで、\(f\)で飛ばして等しいならば飛ばす前も等しいということが言えたら、\(f\)は定数項を持たない一次関数ということが言えますから\(f\)が単射であることを示していきましょう。つまり、

$$任意のa,bに対して、\ f(a)=f(b)\Rightarrow a=b$$

が成り立つことを示しましょう。\(f(a)=f(b)\)を仮定します。☆に\(x=a,b\)を代入するとそれぞれ

\begin{eqnarray}
f\left(\frac{f(y)}{f(a)}+1\right)=f\left(a+\frac{y}{a}+1\right)-f(a) \cdots ③ \\
f\left(\frac{f(y)}{f(b)}+1\right)=f\left(b+\frac{y}{b}+1\right)-f(b) \cdots ④\end{eqnarray}

仮定より、③、④において左辺と右辺第二項はそれぞれ等しいので任意の正の実数\(y\)に対して

$$f\left(a+\frac{y}{a}+1\right)=
f\left(b+\frac{y}{b}+1\right) \cdots ⑤$$

が成り立ちます。\(a\not =b\)とし、\(y\)を大きくすると

$$
\left|\left(a+\frac{y}{a}+1\right) –
\left(b+\frac{y}{b}+1\right) \right|$$

はいくらでも大きくできるので例えばこれが\(2n\ (n\)は自然数)となるように\(y\)を選ぶことができます。すると①により、⑤の両辺の差は\(n\times f(2)\)となるので\(f(2)=0\)

よって、これは矛盾で\(a=b\)となります。つまり、\(f\)が単射であることが分かりましたので#で単射性を用いて、

\begin{eqnarray}
\frac{f(y)}{f(2)}+1&=&
\frac{y}{2}+1 \\ f(y)&=&\frac{f(2)}{2}y\end{eqnarray}

とわかり、結局、\(f(x)=mx\)の形しかありえず、これが条件☆を満たすことは簡単に確認できます。

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