JJMO本選2019問5

【分析】

すぐにわかることとして円周角の定理より

\begin{eqnarray} \angle MAC&=&\angle MKC\cdots ①\\ \angle KAH&=&\angle KMC\cdots②
\end{eqnarray}

があります。つまり、

\begin{eqnarray}\triangle KAH∽\triangle KMC\cdots ③
\end{eqnarray}

を示せば


\begin{eqnarray} \angle AKH=\angle MKC\cdots ④
\end{eqnarray}

となりますから、①④から、\(\angle AKH=\angle MAC\)が示せるのです。
問題は相似を示すところですが、これは、


\begin{eqnarray} KA:AH=KM:MC\cdots ⑤
\end{eqnarray}

を示せば、②⑤より、③の相似が示せます。というわけで、⑤の式を示すことが目標です。
また、\(\angle CMN=\angle CHN=90^{\circ}\)から、\(C,M,H,N\)が同一円周上にあることも円周角の定理の逆からすぐにわかるわけですが、ここから、
・(\(C\)を通る)円がたくさんある
・示したいのは辺の比の式
ということから、\(C\)を原点とした反転をすればよいのでは?という発想にいたることができるかが最大の壁でした。
JJMOの本選では反転を使う問題も度々出題されますし、反転の対策をしていた人は解けたかも知れませんが、多くの人にとっては難しい問題だと思われます。

【略解】
\(C\)を中心とした半径\(r\)の反転円を考え、\(A\)の反転変換後の点を\(A^{\prime}\)のように表すことにする。 (補足②を用いて)この反転変換により、
直線\(BMC,AHC,KNC\)は直線\(M^{\prime}B^{\prime}C,H^{\prime}A^{\prime}C,N^{\prime}K^{\prime}C\)にうつり、
円\(CBAN,CMAK,CMHN\)は直線\(B^{\prime}M^{\prime}N,M^{\prime}A^{\prime}K,M^{\prime}H^{\prime}N\)にうつる。
また、\(BC:MC=2:1\)から、反転の定義より\(B^{\prime}C:M^{\prime}C=1:2\)と計算でき、以上より、反転後の図形は下図のようになる。

チェバの定理より、

\(CK^{\prime}:K^{\prime}N^{\prime}=N^{\prime}H^{\prime}:H^{\prime}M^{\prime}\)であるから、\(H^{\prime}K^{\prime}//M^{\prime}C\)

$$∴\ K^{\prime}A^{\prime}:K^{\prime}M^{\prime}=H^{\prime}A^{\prime}:H^{\prime}C$$


(補足③より)反転前の長さの比の式に直すと



\begin{eqnarray}&& \frac{r^2×KA}{CK×CA}:\frac{r^2×KM}{CK×CM}=\frac{r^2}{CA}-\frac{r^2}{CH}:\frac{r^2}{CH}\\
&∴&\ KM\times \frac{CH-CA}{CK×CM×CA×CH}=\frac{KA}{CK×CA×CH}\\
&∴&\ \frac{KM×AH}{CM}=KA\\
&∴&\ KM×AH=KA×CM
\end{eqnarray}

より目標の比の式⑤が成り立つから、先ほど【分析】で述べたことから、示すべき結論は示された。

【補足】反転
①反転とは
点Aに対し、\(OA\times OA^{\prime}=r^2\)なる半直線\(OA\)上の点\(A^{\prime}\)を対応付ける変換を中心\(O\),\(\ \)半径\(r\)の反転円による反転とよぶ。Oを原点とも呼ぶ。
※無限遠点を付け加え、反転により原点は無限遠点に対応し、逆に、無限遠点は原点に対応すると考えるとよい。

②円円対応
反転変換により、「円または直線」は「円または直線」にうつる。(証明は省略)
(直線を半径\(\infty\)の円と考えれば円が円にうつると思うこともできる。)
特に、原点と無限遠点の動きに着目し、
原点を通る円→原点を通らない直線
原点を通る直線→原点を通る直線
原点を通らない円→原点を通らない円
原点を通らない直線→原点を通る円
である。

③反転と相似
中心\(O\),\(\ \)半径\(r\)の反転円を考え、\(A,B\)の反転変換後の点を\(A^{\prime},B^{\prime}\)とすれば、\(\triangle OAB∽\triangle OB^{\prime}A^{\prime}\)で相似比は\(OA\times OB:r^2\)となる。
(証明は省略)

2 thoughts on “JJMO本選2019問5

    1. totulens 投稿作成者

      こちらこそリンクを張っていただきありがとうございます。
      こちらもそのうち、リンクを張らせていただくことがあるかもしれません。
      そのときはよろしくお願いします。

      JMO問5の解ですがめちゃめちゃスマートでびっくりしました。全然思いつかなかったので勉強になりました。ありがとうございます。

      返信

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