JMO予選1991問3

\(\triangle ABC\)の重心を\(G\)とする。\(GA=2\sqrt{3},GB=2\sqrt{2},GC=2\)が成り立つとき、\(\triangle ABC\)の面積を求めよ。

【解法】

発想を必要とする初等幾何の計量問題では、角度にしろ長さにしろ図形の状況より「数値」がヒントとなっていることも多いです。
今回の場合、\(GA^2=GB^2+GC^2\)より、\(GA,GB,GC\)を三辺とする3角形は直角三角形であることがわかります。よって、\(GA,GB,GC\)を三辺とする直角三角形を実際に図の中に作ってみましょう。
「中線は\(2\)倍に伸ばせ」(そうすれば平行四辺形が出来る)という格言もありますし、\(BC\)の中点を\(M\)とすると重心の性質より、\(AG:GM=2:1\)ですから、\(GM\)を\(M\)の方に\(2倍\)に伸ばし、その先の点を\(D\)としてみましょう。すると、\(GD=2\sqrt{3}\)となり、さらに\(GBDC\)が平行四辺形(∵対角線が中点で交わる)となることから、\(BD=2\)もわかります。

\(∴\ \triangle BDG\)は3辺が\(2,2\sqrt{2},2\sqrt{3}\)の直角三角形となりました!ちなみにその面積は\(2\sqrt{2}\)ですね。
ここまで来ればもう求まったも同然です。\(GBDC\)が平行四辺形であることから\(\triangle GBC=\triangle BDG=2\sqrt{2}\)となることと、\(G\)が\(\triangle ABC\)の重心であるから\(\triangle GBC=\triangle GCA=\triangle GAB\)であることを考えれば、\( \triangle ABC=2\sqrt{2}\times3=6\sqrt{2}\)となりますね!

それではもう1問、僕が昔に出会って感動した、似たような考え方で出来る問題を考えてみましょう。昔に出会った問題すぎて、出典がどこだったかもはや覚えていないのですが、そこそこ有名な問題らしいので、知ってる人も多いかも知れません。

Q.正三角形\(ABC\)の内部の点\(P\)は\(PA=3,PB=4,PC=5\)を満たす。\(\triangle ABC\)の面積を求めよ。

\(3\)辺が\(3,4,5\)の直角三角形を作りたいですね。回転合同のお時間です。
\(\triangle APB\)を\(A\)中心に\(60^{\circ}\)回転して出来る三角形を\(\triangle ADC\)としましょう。\(DC=4\)となり、\(\triangle APD\)は一辺\(3\)の正三角形となることから\(\triangle PCD\)が\(3\)辺が\(3,4,5\)の直角三角形となりました!


同様に\(\triangle BPC\)を\(B\)中心に\(60^{\circ}\)回転して\(\triangle BEA\)を、\(\triangle CPA\)を\(C\)中心に\(60^{\circ}\)回転して\(\triangle CFB\)を作ることにより、六角形\(AEBFCD\)が完成しますが、この作り方により、六角形の面積は\(\triangle ABC\)の面積の\(2\)個分です。

一方で、さっきのように直角三角形および正三角形が現れることから、図のようにこの六角形は一辺\(3\)の正三角形、一辺\(4\)の正三角形、一辺\(5\)の正三角形、\(3\)辺が\(3,4,5\)の直角三角形\(3\)個で構成されていることから面積が

$$\frac{\sqrt{3}}{4}(3^2+4^2+5^2)+3×4÷2×3=\frac{25\sqrt{3}}{2}+18$$

と求まりますから、\(\triangle ABC\)の面積はこの半分の\(\frac{25\sqrt{3}}{4}+9\)とわかります!
無理矢理三角形を作るところがなんだかパズルみたいで楽しいですね。

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